SFE Price Action(EA)のレビューと検証
SFE Price Action(EA)の基本情報
SFE Price Actionは、多通貨ペアで稼働する順張り系のEAです。
開発者はスペイン人のJoel Juanpereです。
世界で販売されているEAは、グリッドトレード・マーチンゲール系のEA、または、アジアセッションのスキャルピングEAが大多数ですが、SFE Price Actionはこれらに属しません。
順張りでエントリーして決済ポイントを分けるという珍しい動きをするEAです。
SFE Price Actionを利用する主な方法は以下の3パターンがあります。
(1)AUTO TRADEによるコピートレード(利用料金はスプレッドに上乗せ) |
(2)MQL5ストアでのEAの購入(価格:1500USD) |
(3)MQL5でのコピートレード(月額40USD) |
フォワードテストの期間も長く、注目されているシステムですので、利用価値があるのか確認してみました。
収益性・ドローダウンの評価
稼働環境:IC Markets(リアル口座)
(2020/10/17時点)
運用開始 | 2015/8/10 |
期間 | 62ヶ月 |
合計収益率 | +453.1% |
月間利率(複利) | +2.8% |
最大ドローダウン | 23.2% |
勝率 | 57.0% |
総取引数 | 22582回 |
稼働初期は非常に好調で順調に残高を伸ばしていました。
しかしながら、2017年8月頃をピークに停滞期に入り、残高が増えない時期が続いています。
最大ドローダウンが25%以下、平均月利が約2.5%というのは決して悪くはない数値です。
しかしながら、、2017年8月頃からまともに利益が出せていない状況を見ると、利用したいと思う人は少ないのではないでしょうか。
取引手法の分析
エントリー(ポジションオープン)
SFE Price Actionは、短期的に発生した比較的強いトレンドに対して順張りでエントリーしていきます。
以下のMT4取引履歴チャートでは、順張りでエントリーしている様子が分かります。
■EURUSD 15分足 白=BUY 赤=SELL
また、以下のMT4取引履歴チャートは、1時間足で全体を表示させたものです。
中長期的なトレンドは特に考慮せずに、短期的なトレンドからエントリーの方向を判断しているようです。
■EURUSD 1時間足 白=BUY 赤=SELL
エクジット (ポジションクローズ)
SFE Price Actionはロスカットよりも利益確定の方が、平均pips幅が大きくなっています。
平均利益確定:52pips
平均ロスカット:-39pips
EAは利益確定よりもロスカット値の方が大きくなるのが一般的ですが、SFE Price Actionの場合は逆であり、珍しいEAです。
また、値幅の小さいスキャルピングEAでもありません。
エクジットのタイミングを分割
SFE Price Actionは、ポジションクローズのタイミングを数回に分ける場合があります。
以下のMT4取引履歴チャートでは、売りエントリーのポジションクローズを4~6回に分けているのが分かります。
■EURUSD 15分足 白=BUY 赤=SELL
このようにエクジットのタイミングを分けるのは、まずは小さな利益を確保しつつ、さらに大きな利益を狙うためです。しかしながら、いつもこの戦略がうまくいくとは限りません。
利益確定後に価格が反転して逆に動くと、損失が発生してしまいます。
上の2つの取引履歴チャートは、失敗している例です。
ポジションの分割クローズがうまくいけば、以下のMT4取引履歴チャートのようになります。
■EURUSD 15分足 白=BUY 赤=SELL
左側の売りエントリーでは最大で70pipsほどで利益確定しています。
また右側の買いエントリーでは最大で90pipsほどで利益確定しています。
取引頻度と対象通貨ペア
SFE Price Actionは、合計18の通貨ペアでの取引実績があります。
EURUSD、GBPUSD、AUDUSD等のメジャー通貨ペアでの取引が比較的多くなっています。ただし、その他のマイナーな通貨ペアでも多くの取引をしています。
■通貨別取引回数(10月17日時点)
Currency | Trades | Pips |
EURUSD | 4424 | 40408.6pips |
GBPUSD | 2365 | 12074.2pips |
EURAUD | 2142 | 27753.1pips |
AUDUSD | 2078 | 3768.8pips |
USDCHF | 1955 | 11717.5pips |
AUDJPY | 1304 | 3712.5pips |
NZDUSD | 1297 | 4837.9pips |
EURGBP | 1234 | 8457.9pips |
EURCAD | 1096 | 4809.5pips |
EURJPY | 1075 | 8575.2pips |
USDJPY | 942 | 8488.6pips |
GBPJPY | 878 | 10267.3pips |
XAUUSD | 796 | 144291pips |
USDCAD | 467 | 7449.1pips |
AUDCAD | 379 | 1595.4pips |
GBPAUD | 87 | -604.7pips |
GBPCAD | 60 | 109pips |
AUDCHF | 3 | -19.2pips |
トレード回数は合計で2万回を超えており、非常に取引頻度の高いEAと言えるでしょう。
単純計算すると、1日あたり18回トレードしている計算になります。
ただし、ポジションを数回に分けてクローズしており、これらのトレードも別々にカウントされているため、エントリー回数はこれよりも少ないでしょう。
それでも、1日に4エントリー以上はしていると推測されるため、取引頻度は非常に高いシステムと言えます。
SFE Price Action(EA)のまとめ
長期間フォワードテストが継続されていることは良いことです。またマーチンゲール等のハイリスクはトレード手法は用いられておらず、スキャルピングでもないので稼働環境に結果が大きく左右されることはないでしょう。
しかしながら、2017年8月から残高が増えていないことを考慮すると利用したいとは思いません。
結果の良くないEAを$1500かけて買う人はいるのでしょうか?もう少し値下げした方が良いと思われます。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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