PAMMとは?分かりやすく仕組みや特徴を解説!

このページでは様々なブローカーのPAMMサービスを利用してきた私が、そんな疑問に詳しくお答えしたいと思います。
PAMMとは、Percentage Allocation Management Moduleの略です。
日本語に訳すと以下のような感じです。
- Percentage(投資額のパーセンテージで)、
- Allocation(利益を分配する)、
- Management(管理の)、
- Modul(仕組み)
具体的に言うと、トレーダーが、『自己資金』と『出資者から集めた資金』の両方の合計額を使ってトレードを行い、トレードの損益を出資額のパーセンテージ(比率)に応じて割り当てるというものです。
海外のブローカーではPAMMサービスを提供しているブローカーがいくつかあります。
安定して利益を出しているPAMMマネージャー(トレーダー)を選択して出資することで、出資者も利益を得ること可能です。
PAMMのメリット・デメリット
まずは、PAMMにはメリットとデメリットについて解説しておきましょう。
- 自ら時間をかけてトレードする必要がない。
- アカウントに入金するだけで手軽に開始できる。
- 自動売買(EA)のように面倒な設定をする手間がない。
- パソコンやEAを利用する際に必要なVPSなどが不要で、運用コストが不要。
- トレードは完全に他人に任せることになる。
- トレード期間中(大体1~2週間単位)は自由に出金することができない。
(※残高が急激に変動しないように設定)
裁量トレードがうまくいかなかったり、トレードする時間がない人にとっては、EAを利用した自動売買が第一の選択肢になると多います。
様々な自動売買システム(EA)を見てきましたが、損益の結果でも、設定や運用コストの観点で見てもPAMMの方が優れていると個人的には思います。
自動売買やコピートレードを行うには、稼働環境として月額2000円以上するVPSを契約して、リモート接続したパソコンで色々と設定をしなければならないのがネックになります。
手間だけならいいですが、月額2000円以上の固定費を抱えるのは少々キツい人も多いと思います。
一方でPAMMの場合、このような固定費は必要ありません。
実際に私はAccentForexという海外ブローカーのPAMMサービスをメンイで利用しており、今のところは利益が出ています。(もちろん損失を被るリスクはあるので、今のところです)
運用結果を公開していますので興味があれば参考にしてみてください。
PAMMの詳しい仕組み
簡略化された例で説明したいと思います。
PAMMアカウントの合計残高が100,000USDで、残高の出資者の内訳は以下のとおりとします。

残高:50,000USD
割合:50%

残高:25,000USD
割合:25%

残高:15,000USD
割合:15%

残高:10,000USD
割合:10%
PAMMアカウントには通常1~2週間程度のトレード期間が決められています。
トレード期間の終了後に、その期間中の損益を出資額の比率に応じて分配します。
例えば、あるトレード期間にPAMMアカウント全体で2000USDの利益が出たとしましょう。
利益分の2000USDは以下のように分配されます。

(2000USD×50%)

(2000USD×25%)

(2000USD×15%)

(2000USD×10%)
もし、トレードによって損失が出た場合には、利益と同様に損失額がマネージャーと出資者に出資比率に応じて分配されます。
ただし、上で紹介した例は、簡略化されたものであり、実際には完全に出資額に応じて損益が配分される訳ではありません。
なぜなら、出資比率に応じて出資者が得る利益の一部からPAMMマネージャーへの報酬が発生するからです。
例えばPAMMマネージャーへの報酬率が20%の場合、出資者が受け取ることができる金額は80%になります。
先ほどの例に反映すると以下のとおりとなります。
利益2000USDの分配(マネージャーへの報酬反映)
マネージャー:1200USD
((2000USD×50%)
+出資者Aからの報酬(2000USD×25%×20%)
+出資者Bからの報酬(2000USD×15%×20%)
+出資者Cからの報酬(2000USD×10%×20%))

(2000USD×25%×80%)

(2000USD×15%×80%)

(2000USD×10%×80%)
このようにPAMMマネージャーはトレードの損益に応じて報酬を受け取ることができるのです。
PAMMマネージャーに対する報酬率は、PAMMマネージャーが自己の判断で決定し、20~30%に設されていることが一般的です。
ただし、ブローカーによっては出資者の出資金の残高に応じてPAMMマネージャーへの報酬率が変動する場合もあります。
例えば、
残高が1000USD未満なら50%
残高が1000USD~3000USDなら35%
残高が3000USD以上で20%
というような感じです。
PAMMのビジネスモデル
PAMMサービスのビジネスモデルは、ブローカー、PAMMマネージャー、出資者の3者が共にメリットが出る仕組みになっています。

PAMMマネージャーのトレードがうまくいけば利益の分配を受けることができる。アカウントに入金するのみで、自分でトレードする必要はなく手間がかからず利益を得ることができる可能性がある。(当然、損失が出るリスクもあります。)

自己資金と出資者の資金を合わせた資金でトレードして、出資者の資金で得た分の利益については一定の報酬がPAMMマネージャーに入るようになっている。よってPAMMマネージャーは自己資金のみでトレードするときよりも大きな利益を得ることができる。

FXブローカーの収入源はトレードのスプレッドや手数料。PAMMマネージャーと出資者の資金を合わせた資金を元に大きなロットサイズをトレードしてもらうことで、手数料収入が増える。
このように、PAMMはWIN-WIN-WINの関係で成り立つビジネスモデルなのです。
一方で、売り切って終わりの自動売買システム(EA)はとにかく売ったもの勝ちになってしまうので、とにかく粗悪なシステムでも売ろうと過大な宣伝をしたり、ハイリスクな部分を隠したりするのもが目立ちます。
当然、出資者のことを何も考えないPAMMマネージャーもいることは事実です。
しかし、PAMMマネージャーやブローカーが継続的に利益を得ようとすると、長期に渡り安定した成績を残す必要があるのです。
売り切りのシステムなどとは異なり、まだPAMMの方がビジネスモデルとして信頼性があるのでは?と考えています。
PAMMが日本でメジャーでないのはなぜ?
日本ではEAを利用した自動売買は利用者も多く、盛んです。
しかし、PAMMに出資する人はあまり多くない実情です。
なぜなら、日本には法律上の制約があり、金融庁の許可を得ない限り、日本人がPAMMサービスを提供する側にはなれないからです。
- 日本国内のFX業者がPAMMのサービスを提供することができない。
- 日本居住者がPAMMサービスのマネージャーになることはできない。
このように日本の法律上、PAMMに出資する以外で日本にビジネスを展開することができません。
PAMMサービスを展開できるのは海外ブローカーに限られますし、PAMMマネージャーになることができるのも海外居住者に限られます。
PAMMサービスを提供している海外ブローカーで、日本語のサポートに対応しているブローカーは私の知る限りでは皆無です。
今のところ英語が苦手な日本人にとって、日本語サポートのない海外FX業者にはなかなかハードルが高いというのが現状ではないでしょうか。
PAMMの注意点
法的規制
日本居住者がPAMMに出資して利益を得ることは特に問題はありません。
一方、日本居住者がPAMMマネージャーになり、他人の資金をマネジメントし、トレードすることは金融庁の登録を得ない限り、違法であるため注意が必要です。
海外FX業者を利用したとしても、関係ありません。日本に居住しながら無登録でPAMMマネージャーになることが問題なのです。
損失のリスク
FXトレード全般に言えることですが、利益が出る可能性がある一方で、損失が発生するリスクももちろんあります。
個人で裁量トレードをする場合には、ポジションのロットサイズを最適に調整したり、ストップロスを置いたり、自分自身でリスクを限定することができます。
しかしながら、PAMMはトレードに関する判断すべてをPAMMマネージャーに任せることになります。
今までは低リスクで、利益をコツコツ積み上げて安定したトレードを実践していたマネージャーであっても、急に気が狂ったようにハイリスクなトレードをし始める可能性もゼロではありません。
出資者が、PAMMマネージャーの行動を制御することができないことは覚悟しておかなければなりません。
詐欺的マネジメントアカウント
海外ブローカー公式のPAMMサービスではなく、外国人が個人的にホームページを作ってやっているようなアカウンマネジメントサービスは危険ですので、やめておいた方がいいでしょう。
出資者を集めるPAMM方式以外のものの含めて危険ですので、注意してください。
例えば以下はCONTOROL FOREXと呼ばれる個人が独自に提供するサービスのホームページの画面です。
月利50~200%が出ると記載されています。
私はCONTOROL FOREXに試しに投資してみましたが、最初の1ヶ月で資金が倍になり、2ヶ月目で口座が残高がゼロになりました。
このように非常に高い月利を罠に出資者を搾取すうようなものも多いです。
月利30%以上を超えるパフォーマンスが出るとPRするようなPAMMやマネジメントアカウントは危険です。
Myfxbookなどで高い利益率を示していたとしても、結局超ハイリスクハイリターンな手法が用いられている可能性が高いですので注意してください。
そして、利益に対するPAMMマネージャーの報酬は50%近くに設定されているため、マネージャーに報酬を支払うと残高が少なくなります。すると、ポジションのロットサイズは残高に対して大きくなり非常に危険な状態になるのです。
私も何個か外国人が個人的にやっているようなPAAMに出資し、数十万円の入金額全額を溶かした経験が何度もあります。
月利が高すぎたり、PAMMマネージャーへの報酬率が高すぎるようなサービスは出資者がリスクだけ取らされて、最後はアカウントが破綻する可能性が高いですので、注意してください。
取引ロジックの確認できない業者やマネージャー
PAMM提供ブローカーにはマネージャーの取引履歴を確認することができないところも存在します。
表面上は安定した結果を残しているように見えても、実際にはマーチンゲールなどのハイリスクな取引手法が採用されている可能性があります。
取引履歴を見て、「ロスカットせずにロットサイズを段階的に増やして勝つまでポジションを保有し続けていないか」や「こまめにロスカット」しているかを確認してから投資した方が賢明です。
しかしながら、取引履歴を非公開にしているブローカーやマネージャーは、そもそも確認することすらできませんので、注意が必要です。