Night Owl(EA / AUTOTRADE)のレビューと検証
Night Owl(EA)の基本情報
Night OwlはMT4サーバー時間(GMT+2/3)の深夜の時間帯にトレードするEAです。
深夜にトレードすることにちなんで、Night Owlと名付けられています。
すなわちアジアセッションのスキャルピングEAにカテゴライズできるでしょう。
利用方法は以下の2種類が存在します。
(1)MQL5ストアでのEAの購入(価格:350USD)
(2)AUTO TRADEによるコピートレード(利用料金はスプレッドに上乗せ)
Myfxbookの公開結果では、そこそこ良い結果を残していますが、資金を投入する価値はあるのか検証してみました。
収益性・ドローダウンの評価
稼働環境:IC Markets(リアル口座)
(2020/10/14時点)
日付 | |
運用開始 | 2018/1/18 |
期間 | 32ヶ月 |
合計収益率 | +296.5% |
月間利率(複利) | +4.2% |
最大ドローダウン | 7.2% |
勝率 | 70.0% |
総取引数 | 1602回 |
最大ドローダウンは10%以下となっている点は素晴らしいことです。
また、平均月利約4%もまずまずの結果と言えるでしょう。
この結果だけで判断すると利用を検討しても良いシステムということになるでしょう。
取引手法の分析
エントリー (ポジションオープン)
Night Owlは冒頭で説明したとおり、MT4サーバー時間(GMT+2/3)の深夜(22時~0時)の間にエントリーしていきます。
この時間帯は小さなレンジ相場になりやすいという特性を生かして、短期的に逆張りでエントリーしていきます。
EAの稼働タイムフレームは15分足となります。
以下のMT4取引履歴チャートでは、逆張りでエントリーして、わずかなpipsでポジションをクローズしている様子が分かります。
■EURCAD 1時間足 白=BUY 赤=SELL
また15分足でより詳しくチャートを見てみると以下の画像のようになります。こちらでも逆張りでエントリーしているようすが分かります。
■EURCAD 15分足 白=BUY 赤=SELL
逆張りロジックなので、レンジ相場では利益を積み重ねます。
以下のチャート画面ではレンジ相場において利益を積み重ねている様子が分かります。
■EURCAD 30分足 白=BUY 赤=SELL
エクジット(ポジションクローズ)
Night Owlは非常に小さなpips幅をターゲットにしたスキャルピングEAです。
利益確定、ロスカットともにほとんどが10pips以内で決済されています。
利益確定の平均pipsは約6pips、
ロスカットの平均pipsは約7pipsとなっています。
上記はあくまで平均値のため、これより大きなロスカットや利益確定が発生することがあります。
ただ、利益確定とロスカットの平均値がほぼ同じ水準であるため、一発の負けで今までコツコツ積み上げた利益を吹き飛ばすということは比較的少ないものと思われます。
ホジションの保有時間も短く、ほとんどが1時間以内に決済されています。
取引頻度と通貨ペア
Night Owlは8つの通貨ペアを対象としています。
EURCAD、EURAUD、AUDCADなどの比較的マイナーな通貨ペアを対象にトレードします。
一方、メジャーな通貨ペア(EURUSD、AUDUSD、USDJPYなど)での取引はありません。
以下は通貨ペア別の取引回数の実績です。
■通貨ペア別取引回数(2020/10/17時点)
Currency | Trades | Pips |
EURCAD | 290 | 648.8pips |
EURAUD | 285 | 746.9pips |
AUDCAD | 247 | 544.2pips |
USDCAD | 241 | 470.9pips |
EURNZD | 189 | 547.2pips |
USDCHF | 152 | 274.5pips |
GBPAUD | 107 | 184.4pips |
GBPCAD | 91 | 245.7pips |
取引頻度は高いと言えるでしょう。
Night Owl(EA)の懸念事項
Myfxbook上の公開結果だけ見ると利用を検討する価値はありそうに感じるでしょう。
しかし、Night Owlは非常に小さなpips幅をターゲットにしているため、利用するブローカー、VPSなどの稼働環境に結果が左右されることは認識しておくべきです。
特にMT4サーバー時間(GMT+2/3)で、22時~0時というのは、各ブローカーのスプレッドが広がり、スリッページも発生しやすい時間帯になっています。
Night Owlの決済pips幅は10pips未満と小さいため、小さなスリッページやスプレッドの違いでも、積み重なれば大きな差になります。
もしかすると、ブローカーによってはトータルで損失が発生する可能性もあります。
また、AUTOTRADEによるコピートレードでは、ブローカーのスプレッドに利用料金が上乗せされる点に注意してください。
スプレッドが大きくなると、利益が出なくなる可能性もあります。
Night Owl(EA)のまとめ
長期的なフォワードテストに耐えて、利益を出している点は良いことです。
また、利益確定よりもロスカットの値が大きすぎないことも良いことです。
ロスカット幅も比較的小さいので、大きな損失が発生する頻度も少ないです。
しかし、非常に小さなpipsをターゲットにしており、また取引の時間帯もスプレッド拡大・スリッページが起こりやすい環境であるため、あなたが利用しても、開発者と同じ結果が得られるとは限りません。
このリスクを覚悟するのであれば、利用してみても良いかもしれないが、私はおすすめしない。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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