GPS Forex Robot(EA)-評判・レビュー
- 9年以上のリアル口座でのフォワードテスト実績
- リアル口座での稼働実績は抜群
- ロットサイズの大きいリカバリートレードが失敗するのがリスク要因
GPS Forex Robot(EA)の基本情報
価格 | $149 |
通貨ペア | EURUSD,USDCHF, EURGBP,GBPUSD |
稼働時間足 | どれでも可能。表示チャートの時間足は売買シグナルに関係なし |
取引スタイル | スキャルピング~デイトレード |
端末 | MT4 |
長年にわたりEAのレビューを続けてきたMark Larsenなる人物が中心となり、Antony とRonaldという優秀なプログラマによって開発されたEAとなります。
販売ページは過大広告のようで若干うさんくさい部分はありますが、実績としては申し分ありません。
実績があり期待できるEAであることは間違いありませんが、トレードロジックとしては大き目のリスクを取る部分がある点は認識しておいた方が良いでしょう。
収益性・ドローダウンの評価
日付 | 金額 | |
運用開始 | 2012/5/21 | 初期残高:$100,000 |
残高 | 2020/4/17 | 現在残高:$634,420 |
運用ロットサイズ | 変動ロット設定 | |
期間 | 94ヶ月 | |
合計収益 | +¥534,420 | |
合計収益率 | +534.4% | |
月間利率(複利) | +2.0% | |
月間利率(単利) | 変動ロット設定 | |
最大ドローダウン | 対初期残高37.7% | |
勝率 | 93.0% | |
総取引数 | 471回 |
最大ドローダウンは約37%と比較的高くなっていますが、残高に応じた変動ロット運用(複利運用)となっていますので、ドローダウンが大きくなるのは当然と言えば当然です。
ただ、フォワードテスト以上にロットサイズを上げるのは少々危険かと思いますので、ロットサイズの調整には慎重になった方が良いかと思います。
利益率に関してもそこまで高い訳とは言えませんが、ここまで長期間に渡り右肩上がりの収益曲線を描き続けているEAというのは他には存在しません。
取引分析-エントリー
GPS Forex Robotは買いエントリーをメンイにしたEAとなります。
以下のMT4取引履歴チャートでは、ほとんど買いエントリーであることが分かるかと思います。
■EURUSD 1時間足 白=BUY 赤=SELL
カテゴライズとしては朝スキャEAという位置づけで良いかと思います。
以下のMT4取引履歴チャートでは、買いのみのエントリーをしている様子が分かるかと思います。
条件が合えば、以下の決まった時間に買いエントリーします。逆に言うと基本的には以下の時間以外にはエントリーしません。
すなわち夏時間(GMT+3)で午前1時、
すなわち日本時間に換算すると午前7時。
なお、トレンドの方向にのみエントリーするスキャルピングEAも多く存在しますが、GPS Forex Robot特に関係なくエントリーしていきます。
また朝スキャ系のEAは日本時間の朝は小刻みなレンジ相場になりやすいという特徴を生かして、短期逆張りでエントリーするEAがほとんどですが、GPS Forex Robotは順張りや逆張りなど一貫した性質がありません。どちらのパターンでもエントリーしていきます。
どのようにエントリーポイントを見極めているかはブラックボックスとなります。
取引分析-エントリー頻度
エントリーの頻度としては、平均すると約5日間に1回トレードするくらいの頻度となります。
確率の高い場面でしかエントリーしないと捉えることもできますが、取引頻度としては少ないタイプのEAとなります。
取引分析-利益確定
利益確定にはトレーリングストップが利用されています。
トレーリングストップは利益が出た状態において、直近の高値もしくは安値から指定されたpips数の価格の戻りで利益確定するという手法です。
フォワードテストでの、トレーリングストップのpips幅は6pipsとなっています。
トレーリングストップを発動した結果、利益確定pips幅は大体2~4pips程度となることが多いため、スキャルピング系のEAという認識で良いでしょう。
取引分析-ロスカットとリカバリートレード
ロスカット幅は90pipsに設定されています。つまり利益確定幅の約30倍程度のロスカット幅となります。
これだけだと、典型的なコツコツドカン(コツコツ積み上げた利益を1回の負けトレードで吹き飛ばす)型のEAのように思いますが、
GPS Forex Robotの特徴は90pipsのロスカットが入った後に、損失を埋めるためのリカバリートレードを仕掛けるという点です。
具体的には、買いポジションを90pipsでロスカットした直後に、約7倍のロットサイズで売りエントリーを仕掛けて損失をリカバリーしにいきます。
以下のMT4取引履歴チャートでは買いポジションのロスカット後、売りエントリーにドテンしている様子が分かります。
■EURUSD 30足 白=BUY 赤=SELL
売りエントリーは7倍のロットサイズとなっていますので、12.8pipsの価格の下落で90pipsの損失分は取り返せる計算になります。(90pips÷7=12.8)
実際にも売りエントリーした場合は12~13pips程度でクローズされ、損失が補填されています。
そもそも買いエントリーがロスカットされ、7倍ロットの売りエントリーによるリカバリトレードが発動する頻度は高くありません。2012年のフォワードテスト開始から500回近くのトレード回数を重ねていますが、リカバリートレードが発動されたのは8回だけです。
そして今のところ全てのリカバリートレードは成功しています。
ただ、7倍のロットサイズの売りエントリー後に相場が上昇に転じてそのまま少々し続けた場合の結末は分かりません。
さらなるリカバリー策が準備されているのか、口座が破綻するまでポジションを持ち続けるのか実績が定かではありません。
利用者はリカバリートレードが失敗した時の不透明性に関するリスクについて認識しておく必要があります。
また、パラメータ設定でリカバリートレードをOFFにすることも可能ですが、リカバリートレードをしないと損失を取り戻すのに数十回の勝ちトレードを積み重ねる必要がありますので、まふぉーマンスがかなり低下してしまう点には注意してください。
バックテストの結果
稼働期間 | 2007/10/9~ | 2020/1/5 |
146ヶ月 | ||
初期証拠金 | 10,000 | |
運用ロットサイズ | 【固定】1.0ロット | |
最終残高 | 110,951 | |
合計収益 | 100,951 | |
合計収益率 | 1109.5% | |
平均月利(複利) | 1.7% | |
平均月利(単利) | 6.9% | |
最大ドローダウン(相対) | 20.4% | |
最大ドローダウン(金額) | 5,648 | 対初期残高56.5% |
プロフィットファクタ | 2.84 | |
勝率 | 88.7% | |
総取引数 | 995回 |
GPS Forex Robotのバックテストは約10年実施され、フォワードテストの結果や取引内容と比べても大きな差はないため、バックテストの結果も参考にして良いかと思います。
相対的な最大ドローダウン(その時点での残高に対するドローダウン)は20%と低めに抑えられています。
一方で、初期残高に対するドローダウンは約56%と高くなっており、もし稼働開始直後の残高が少ない状態でこのようなドローダウンが発生するとアカウントは少々危険な状態となっていたでしょう。
繰り返しになりますが、比較的リスクを取って稼働するタイプのEAであることは認識しておいた方が良いと思います。
パラメータ設定
GPS Forex Robotのパラメータ設定は以下のとおりとなります。
なお、重要なのはロットサイズの設定となりますが、ロットサイズの自動計算機能は使わずに自分でロットサイズを入力することが推奨されています。
推奨設定では$100につき0.01ロットの比率(残高$200なら0.02ロット、残高$1000なら0.1ロット)となっていますが、もうすこし余裕のある設定にした方が良いでしょう。
説明したとおりバックテストでは当比率(残高$10,000で1.0ロット)で初期残高比56%のドローダウンが発生した実績があります。
したがってロットサイズの比率は2分の1以下にした方が良いと思われます。($200につき、0.01ロットなど)
■Authentication settings:(認証設定)
GPS Forex Robotの購入時に使用したEメールアドレス | |||
CBReceipt | EAの購入手続き完了後、GPS Forex Robot Teamから送られてくるメールに記載されているCBReceiptの番号を入力 |
■Trading Days:(トレード日)
AutoAnalysis | trueにするとエントリーのタイミングを様々なインジケータなどからエントリーにタイミングを自動で判断する。 Falseにすると、以下の「TradeMonday~Friday」で設定した曜日に必ずトレードする設定になる。 推奨設定はもちろんtrue。逆にfalseにした場合は決まった曜日の午前0時か午前1時にエントリーするという非常にシンプルなEAになってしまいEAの存在意義がない。 |
||
TradeMonday~Friday | 上記「AutoAnalysis」でfalseにした場合に、当項目で設定した曜日に必ずトレードを行うようになる。 |
■General Options:(一般設定)
AutoGMTOffset | MT4サーバー時間の情報を自動で取得する設定。推奨設定はtrue。 | ||
GMTOffset | 上記「AutoGMTOffset」が何らかの要因でうまくいってない場合は、手動で当項目にGMT+-0との差を入力する。 | ||
StealthMode | FX業者に利益確定やストップロスの設定値が分からないようにする設定。悪質な業者はストップロス狩りなどの不正を働く可能性があるためその対策。 推奨設定はもちろんtrue |
||
Slippage | 許容するスリッページの値。デフォルト設定の「2」で問題ない。 | ||
MagicNumber | 各トレードに自動で設定される連番。デフォルト設定で問題ない。 |
■Recovery Trade:(リカバリートレード)
UseRevAfterSL | 買いエントリーがストップロスとなったのち、売りエントリーでリカバリートレードを仕掛けるかどうか。 trueにしないと損失のリカバリーに非常に時間がかかる。リスクも上がるが、個人的にはtrueを推奨する。 |
||
RevAfterSL_Multiplier | ストップロスとなった直前の買いエントリーの何倍のサイズでリカバリートレードを仕掛けるかを設定。フォワードテストでは7(7倍)となっている。 | ||
MagicNumber | 各トレードに自動で設定される連番。デフォルト設定で問題ない。 |
■Trailing Stop:(トレーリングストップ)
UseTrailingStop | 利益確定にトレーリングストップを利用するかどうか。フォワードテストではtrueに設定されているため、trueで良いかと思います。 | ||
TrailingDistance | トレーリングストップのpips数。デフォルトは6(pips)であり、フォワードテストも6pips。6で良いと思います。 | ||
TrailingStep | トレーリングストップの計算単位。デフォルトの1(pips)で問題ない。 |
■Other settings:(その他設定)
ExpertComment | MT4の取引履歴に入るコメント。デフォルト設定で問題なし。 | ||
ColorBuy | MT4チャートに表示される買いエントリーの位置を示す色。 デフォルト設定で問題なし。 |
||
ColorSell | MT4チャートに表示される売りエントリーの位置を示す色。 デフォルト設定で問題なし。 |
||
SendEmail | トレードがあった場合にメールアドレスに通知を送信。 | ||
SoundAlert | トレードがあった場合にサウンドで通知。 | ||
WriteLog | デフォルト設定で問題なし。 | ||
WriteDebugLog | デフォルト設定で問題なし。 |
GPS Forex Robotのまとめ
利益率としては高くはありませんが、リアル口座でのフォワードテスト実績の長さとしては抜群です。今後の結果にも期待して良いEAと言えるでしょう。
ただし、買いエントリーが失敗した場合にはリスクを取ってリカバリートレードを仕掛けていきます。
10年以上のバックテストや9年以上のフォワードテストではリカバリートレードは全て成功しており、そもそもリカバリートレードが必要になる状況もあまりありません。
ただ、確率としては低いものの、仮にリカバリートレードが失敗した際には、最悪の場合アカウント残高が一気に0になるような負け方をする可能性があります。
このリスクを認識した上で、長きに渡る過去の実績の方に期待するのであれば利用価値のあるEAということになります。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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