GINZOシステム(EA)の使用結果と評価 ~詐欺EAか?~
GINZOシステムとは岩井銀蔵なる開発者がサイト上で無料配布しているEAです。
ブローカーのIB縛りがあるとは言え、無料で配布されている部分に魅力に感じる人が多いのではないでしょうか。
しかし、ネット上では、詐欺だの、何だのとあまり良い噂は流れていません。
ネット上の噂に対して、開発者は色々と弁明している訳ですが、真相のほどは定かではありません。
ネット上の噂については後程解説したいと思いますが、重要なのは結果なので、まずは結果から解説していきたいと思います。
GINZOシステムの使用結果
2019年2月からTradeviewの口座で使用マニュアルの通り稼働させています。
月別の結果は以下の通りとなります。
2019年2月 | 2019年3月 | 2019年4月 | 2019年5月 | 2019年6月 | 2019年7月 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
入出金 | ¥300,000 | ||||||
損益 | ¥7,971 | ¥6,146 | ¥1,671 | ¥16,198 | ¥4,050 | ¥-6,594 | |
月利 | 2.7% | 2.0% | 0.5% | 5.1% | 1.2% | -2.0% | |
残高 | ¥307,971 | ¥314,117 | ¥315,788 | ¥331,986 | ¥336,036 | ¥329,442 |
開発者はホームページにて、平均月利15%を謳っていますが、今のところそんな数字が出る気配は一切ありません。
若干ながらトータルで利益は出ている点は評価できますが、物足りなさがあるのも事実です。
稼働停止も考えましたが、たかが半年間の運用で判断すべきではないので、もう少し観察を続けていきたいと思います。
GINZOシステムが無料で配布されている理由
無料でEAを配布する理由について、開発者は「実践的な行動ファイナンスの研究のため」という大義名分を掲げています。
具体的には、『裁量を入れるなと指示しても、怖くなって稼働を止めたり、手動で利益確定をしたりと心理面がマイナスに作用し、同じシステムを使用しても結果は人によって異なる。誰もが同じように利益を得るためにはどうすれば良いのか研究したい。研究の材料を集めるために無料でEAを配布し、利用者からの感想や意見を収集したい。そして研究結果を子孫に残したい。』ということらしいです。
聖人のような理由ですが、少し海外ブローカーでのFXをかじったことがある人なら『IB報酬目当てでしょ?』と思ってしまいます。
海外ブローカーのアフィリエイトの仕組みは、紹介したトレーダーが取引をするたびに報酬が入る仕組みになっています。これをIB(イントロダクションブローカー)報酬と言います。
GINZOシステムの開発者はEAの無料配布条件として、TradeviewとAxioryの2つのブローカーで口座開設し、アカウント番号を開発者に通知することを求めています。この手続きを踏むことで、GINZO-Systemを稼働させている利用者の口座から、開発者に対してIB報酬が発生することになります。
DLLの機能により、この手続きを踏んでいない口座ではおそらくEAが正常に動作しないため危険です。
IB報酬は、利用者がトレードで利益を出そうが、損失を出そうが関係なく、取引ロット数に比例してが発生します。
つまり、利用者が増えれば増えるほど、長く利用すればするほど開発者は多くのIB報酬を得ることができるという訳です。
損失発生のリスクは利用者が負った上で、開発者は継続報酬が得られる旨味のあるビジネスモデルと言えるでしょう。
利用者はリスクだけ負って、開発者は旨味しかないと思うと、急にばかばかしくなっていますが、一概に悪い部分ばかりではありません。
IB報酬を取るということは、利用者がEAの利用を継続するという自信の裏返しであるとプラスに捉えることもできます。
もし、開発者にEAが継続的に利益を出す自信がないのであれば、数万円で売り切りのビジネスを選択するのではないでしょうか。
ちなみに、無料配布&IB縛り型のEAはそれほど多くはありませんが、有名どころで人気のあったKHT-3000は見事に破綻しています。
色々と憶測ばかりが広がりますが、利用者に利益が出るかどうかが重要な部分であり、開発者がIB報酬をもらっているのが気にくわない、とかは考えない方がいいと思います。
開発者の公開結果と実運用結果との差
開発者は自身のサイト上で運用結果を公表しており、2019年3月以降の結果は以下のとおりとなります。
2019年3月 | 2019年4月 | 2019年5月 | 2019年6月 | |
---|---|---|---|---|
私の口座月利 | 2.0% | 0.5% | 5.1% | 1.2% |
開発者の公開値 | 2.7% | 1.2% | 6.5% | 3.5% |
私がこのEAを稼働させている口座よりも良いパフォーマンスが出ています。
1分足で稼働するEAですので、使用しているVPS環境によって違いが出るのかもしれません。
開発者はVPS環境として使えるねっとを指定しており、私も使えるねっとを使用しています。
使えるねっとには日本設置版と米国設置(ニューヨーク)版があり私は米国版を利用しています。
TradeViewの取引サーバーはロンドンに設置されており、ロンドンからの距離は日本よりもニューヨークの方が近いので、注文スピードは私の環境の方が速いはずです。
しかしながら、エントリーやエクジットのロジックによって、注文スピードの有利・不利は一概には言えません。
結局のところ、開発者が結果を盛っているのか、取引環境の違いで損益の差が出ているのかは分かりません。
GINZO-Systemの取引ロジック
USDJPY、EURUSD、EURJPY、GBPUSDの4つの通貨ペアで稼働します。
取引ロジックはBASIS、BOOST、HEDGEと3つに分類されます。
取引ロジックの細かいことまでは解明できませんが、一般的にハイリスクとされるナンピンやマーチンゲールなどの手法は取引履歴を見るかぎり採用されていません。
どちらかというと、逆張りでのエントリーが多いEAです。
エクジットのタイミングはまちまちですが、ポジションの保有時間は数分間~数時間です。
1日以上ポジションを持ち続けることはありません。
コツコツ小さな利益を積み重ねて、負けるときは比較的大きく負けます。
なお1日の取引回数は1~5回程度です。
GINZOシステムの詐欺疑惑
詐欺疑惑・悪評の内容とは
NYコンサルティングというネットビジネスの詐欺商材を売りつけている会社があるようで、このEAの開発者である岩井銀蔵の正体はNYコンサルティングではないかという疑いがかけられています。
また、GINZOシステムをネット上で支持するICHINO、高崎国男らも同一人物であり、自作自演の宣伝を行っているのと疑いもあります。
その理由は開発者である岩井銀蔵、NYコンサルティング、ICHINO、高崎国男がそれぞれ運用するサイトが同一のサーバーの同一IP上で運営されているからです。
ここまでくると『単なる偶然です。』ということはできません。
また、GINZOシステムのサイトでは、2009年からの運用結果が記事として公開されています。
その結果はケチのつけようのない素晴らしいものとなっています。
しかしながら、サイトのドメインを調べてみると、このサイトは2018年から運用されていることが分かります。
そうなると、2018年以前の運用結果は根拠なく偽造されたものであるというという疑いが強くなります。
ブログの投稿日付なんて後でバックデートできてしまうので、投稿日付なんて信じることはできません。
そもそも、こんなに稼げるEAの情報が2009年からサイト上に公開されていたなら、もっとネット上に口コミや噂があっていいのではないでしょうか。
ネット上の口コミや噂は2018年以降のものしか無いので、2009年からサイトが運営されているというのは偽りである可能性が大です。
開発者の弁明内容
これらの疑惑に対して開発者は以下の通り弁明しています。
『NYコンサルティング社とは古くから付き合いがある。
以前から利用していたブログサービスが終了となったことを機に、2018年からNYコンサルティング社が管理しているサーバーにサイトを乗り換えた。
友好関係があったICHINOや高崎国男らの人物から「サイトを立ち上げたい」との要望があったので、NYコンサルティング社のサイト管理サービスを紹介した。
その結果、同一のサーバー上に彼らのサイトが設置されることとなり、同一人物であるという誤解を招いている。』
一応、つじつまが合う説明にはなっていますが、信じるに値するものではありません。
疑惑に対する個人的見解
これは私個人的な憶測でしかありませんが、GINZO、NYコンサルティング、ICHINO、高崎国男のそれぞれのサイトを管理しているのは同一人物であると思います。またサイトが2009年から運用されている点も偽造であると思います。
しかしながら、これらのサイトを作成して宣伝している人物とGINZOシステム(EA)の開発者は別だと思います。
GINZOシステム自体の取引ロジックや結果は絶賛すべきものではありませんが、詐欺だと批判を受けるほどのものではありません
システムの開発者とNYコンサルティングが何らかのきっかけで結びつき、宣伝を委託しているものではないかと考えています。
GINZOシステムに対する結論
EAの宣伝方法については色々と問題があると言わざるを得ません。
真相のほどは定かではありませんが、色々な疑いがある点はマイナス評価せざるを得ません。
また、結果に自信があり、もっと利用者を集めたいのならmyfxbookやFXBlueなどでフォワードの結果を公表しているように思いますが、公開していない点も何か裏があるのではと勘ぐってしまいます。
一方で、半年足らずの期間とはいえGINZOシステムを動かしてみた結果、現状プラスの損益になっているのも事実あり、ダメなEAであるとも言えません。
結局のところ、よく分からないEAであるということです。
GINZOシステムの稼働に関する個人的意見
GINZOシステムは稼働の条件として、使えるねっとのVPSを指定しており、使えるねっとのVPS以外では正常に動作しないと説明書に書かれています。
本当に正常に動作しないのか、EAのプログラムでVPSまで指定できるのかは定かではありません。
私はたまたま元から使えるネットのVPSを契約していたので、この点は問題ありませんでした。
元からVPSを契約している人は、結果に期待すべきではありませんが、少額の入金でEAの結果を検証するのはありだと思います。
一方で、EAを稼働させたことのない人がわざわざVPSを新たに契約し、固定費を払ってまで使用するほどのものではないかと思います。
使えるネットのFX専用プランは一番安いものでも月額2,300円程度の料金が発生します。
仮にVPSを契約せず、自身のパソコンで利用する場合も一日中パソコンをつけっぱなしにする必要があるので、それなりの電気代がかかります(ちゃんと計算したことはないですがVPSを借りるくらいの電気代はかかってしまうらしい)。
また、自宅のパソコンであるとインターネット接続や電源などの環境の問題でEAの稼働に支障をきたす場合があります。
その他のEAについても言えることですが、EAを稼働させるにはVPSを契約する方がベターですし、有料EAであれば初期費用がかかります。EAにこだわらないのであれば、AccentForex PAMMアカウントなどの方が固定費や購入費用がかかりませんし、現状パフォーマンスも断然上です。
しかし、私は色々なEAを実際に走らせてみずから検証したいと思っていますので、もうしばらくGINZOシステムの使用を継続したいと思います。
結果については今後も公開していく予定ですので、気になる方はチェックしてみてください。
仮に今後いい結果が出たとしても、おすすめはしていませんので、利用するかどうかの判断は自己責任でお願いします。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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