Forex inControl Rebornのレビューと評価 | 徹底検証!
「Forex inControl Reborn」はグリッドとマーチンゲールを掛け合わせたトレードを行うEAです。
前作からバージョンアップし、Rebornバージョンとしてリリースされています。
前作はフォワードテストに失敗して評判が良いものではありませんでしたが、果たして、「Forex inControl Reborn」は本当に「良い奴」に生まれ変わっているのでしょうか?
Forex inControl Rebornの購入価格と基本情報
Accelerator有 | Accelerator無 | |
価格 | $220 | $270 |
リアル ライセンス数 | 1 | 1 |
アップデート | 無料 | 無料 |
サポート | 永久 | 永久 |
通常より$50高価な$270のバージョンを購入するとAccelerator modeが使用できます。
後で詳しく解説しますが、Accelerator modeは非常にハイリスクであり、利用する価値があまりない機能と推察されます。よって$270のバージョンを購入することにあまり意味はありません。
■対応通貨ペア
AUDUSD、EURGBPの2種類
■推奨レバレッジ
1:200以上
■推奨入金額
AUDUSD:$1286
EURGBP: $915
注意!)グリッド、マーチンゲールEAはある程度の有効証拠金ドローダウンを前提にしていますので、推奨レバレッジと推奨入金額を守らないのは非常に危険です。
■返金保証
30日間の期限付きで返金保証あり。ただし、30日間の間に、「動作不良」もしくは「推奨入金額で運用したにも関わらず40%以上のドローダウンが発生した」という条件付き。
Forex inControl Rebornのライブパフォーマンス
■ブローカー:FXOpen
■通貨ペア:AUDUSD
■稼働開始:2018年2月12日~
誰もが手を出したくなるような、美しい資産曲線を描いています。
マーチンゲールやグリッドトレードを採用したEAはこのような美しい資産曲線になります。
資産曲線は美しかったとしても、マーチンゲールグリッドトレードは一気に大きな損失を被る可能性があるハイリスクな手法ですので、十分にリスクを理解しておく必要があります。
バックテストでの最大ドローダウンは30%に抑えられていましたが、フォワードテストでは最大で38%のドローダウンが発生しています。
グラフを見ると有効証拠金のドローダウンも無いように見えますが、Myfxbookのグラフに有効証拠金ドローダウンが反映されていないだけです。勘違いしないよう注意してください。
なお、AUDUSDとEURGBPの2つの通貨ペアで同時に運用した一般利用者の結果も公開されています。
全く利益がでていない原因はEURGBPの方にあります。
AUDUSDは利益が出ていますが、それ以上にEURGBPで損失が出ています。
BREXITの混乱により、EURGBPは非常に動きが荒くなっているので危険です。
このEAを使用するのであれば、AUDUSDだけで稼働させた方が無難です。
Forex inControl Rebornの取引の特徴
グリッドトレードとマーチンゲールを兼ね備えたトレードをします。
グリッドやマーチンゲールを採用したEAのトレードロジックは比較的シンプルなものが多いです。
一方で、このEAのトレードロジックは単純ではなく少々複雑です。
全てのロジックは分かりませんが、取引履歴を確認すると少なくとも以下のような特徴があることが分かりました。
- 最初のポジションから価格が60pips逆行した時点で、同一ロットかつ同方向のポジションをオープンする。
- さらに価格が逆行した場合に、ロットサイズを上げたポジションを取る。ただしポジションをオープンする基準となる逆行pips数やロットサイズは状況によって異なる。
- 価格が逆行を続けると最大5つまで同一方向のポジションをとる。
- 最後にオープンしたポジションに65pips分の利益が出た時点で全ポジションをクローズする。(最初のポジションに対して価格が逆行せず、65pipsの利益が出るとポジションはクローズされ、追加のポジションが取られることはない。)
Open Date | Close date | Action | Lots | Open Price | pips difference (previous Open) | Close Price | Pips | Profit (USD) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
02.16.2018 16:00 | 02.26.2018 09:32 | Buy | 0.15 | 0.7925 | - | 0.78915 | -33.5 | -54.41 |
02.21.2018 04:59 | 02.26.2018 09:32 | Buy | 0.15 | 0.7865 | 60 | 0.78915 | 26.5 | 37.15 |
02.22.2018 14:00 | 02.26.2018 09:32 | Buy | 0.18 | 0.78265 | 38.5 | 0.78915 | 65 | 115.76 |
02.26.2018 16:30 | 03.06.2018 14:08 | Buy | 0.15 | 0.78387 | - | 0.78137 | -25 | -41.66 |
02.28.2018 22:03 | 03.06.2018 14:08 | Buy | 0.15 | 0.77787 | 60 | 0.78137 | 35 | 49.38 |
03.01.2018 16:00 | 03.06.2018 14:08 | Buy | 0.16 | 0.77487 | 30 | 0.78137 | 65 | 102.35 |
03.08.2018 11:30 | 03.12.2018 05:00 | Buy | 0.15 | 0.78027 | - | 0.78677 | 65 | 97.34 |
04.03.2018 07:30 | 04.20.2018 04:43 | Sell | 0.15 | 0.76875 | - | 0.77121 | -24.6 | -32.69 |
04.10.2018 17:11 | 04.20.2018 04:43 | Sell | 0.15 | 0.77475 | 60 | 0.77121 | 35.4 | 55.76 |
04.13.2018 17:59 | 04.20.2018 04:43 | Sell | 0.16 | 0.77742 | 26.7 | 0.77121 | 62.1 | 101.03 |
04.19.2018 15:24 | 04.20.2018 04:43 | Sell | 0.16 | 0.77771 | 2.9 | 0.77121 | 65 | 104.24 |
05.30.2018 12:00 | 06.08.2018 11:21 | Sell | 0.15 | 0.75322 | - | 0.75759 | -43.7 | -65.42 |
06.04.2018 04:30 | 06.08.2018 11:21 | Sell | 0.15 | 0.75922 | 60 | 0.75759 | 16.3 | 24.52 |
06.05.2018 05:44 | 06.08.2018 11:21 | Sell | 0.18 | 0.76308 | 38.6 | 0.75759 | 54.9 | 98.88 |
06.07.2018 16:49 | 06.08.2018 11:21 | Sell | 0.16 | 0.76409 | 10.1 | 0.75759 | 65 | 104.01 |
06.13.2018 21:30 | 07.04.2018 04:33 | Buy | 0.15 | 0.75422 | - | 0.74097 | -132.5 | -202.77 |
06.14.2018 23:42 | 07.04.2018 04:33 | Buy | 0.15 | 0.74822 | 60 | 0.74097 | -72.5 | -112.19 |
06.19.2018 18:46 | 07.04.2018 04:33 | Buy | 0.46 | 0.73831 | 99.1 | 0.74097 | 26.6 | 113.51 |
06.28.2018 05:07 | 07.04.2018 04:33 | Buy | 0.3 | 0.736 | 23.1 | 0.74097 | 49.7 | 147.58 |
07.03.2018 05:21 | 07.04.2018 04:33 | Buy | 0.22 | 0.73467 | 13.3 | 0.74097 | 63 | 138.32 |
07.11.2018 01:00 | 07.20.2018 17:11 | Buy | 0.15 | 0.74366 | - | 0.74192 | -17.4 | -28.21 |
07.11.2018 20:31 | 07.20.2018 17:11 | Buy | 0.15 | 0.73766 | 60 | 0.74192 | 42.6 | 61.79 |
07.19.2018 20:07 | 07.20.2018 17:11 | Buy | 0.16 | 0.73583 | 18.3 | 0.74192 | 60.9 | 97.24 |
07.20.2018 05:05 | 07.20.2018 17:11 | Buy | 0.16 | 0.73542 | 4.1 | 0.74192 | 65 | 104 |
07.24.2018 14:00 | 08.10.2018 08:11 | Sell | 0.15 | 0.74058 | - | 0.73408 | 65 | 97.72 |
08.27.2018 17:30 | 08.30.2018 18:20 | Sell | 0.15 | 0.73418 | - | 0.72768 | 65 | 97.56 |
ただし、このEAは他のマーチンゲールEAに比べてロットサイズが大きく上がることはありません。
これまでの取引履歴では、最大でも初回ロットの約3倍までです。
むしろ、ロットサイズが上がる方が稀で、初回ロットとほぼ同等のロット数でポジションをオープンすることの方が多いです。
つまり、「基本的にはグリッドトレードだが、状況によってはマーチンゲールを採用する」EAであると言えます。
3つ目以降のポジションはロットサイズやポジションをオープンするタイミングが単一のロジックではありません。
相場の状況に応じて調整される点は良い点だと言えます。
逆行pips数が大きくなればなるほど、ロットサイズは大きくなる傾向にあります。
Forex inControl Rebornのリスク管理手法
パラメータで個別のポジションにストップロスを置くことはできません。
そもそもグリッドやマーチンゲールEAに個別のストップロスを設定することにあまり意味はありません。
問題は5つ目のポジションが65pipsの利益確定レベルに到達せずに、価格が逆行し続けた場合です。価格がポジションとは逆方向に進み続けると口座は破壊されます。
このリスクに対応するため、「MaxDrawDown」のパラメータによって、証拠金のうちリスクにさらすパーセンテージを指定することが可能です。含み損が指定したパーセンテージに到達した場合には全てのポジションがクローズされます。
ベンダーのフォワードテストでは2018年2月から一度も「MaxDrawDown」による残高保護が発生した実績はありません。
ベンダーの公式サイトではリスクに晒す残高として35%が推奨されており、バックテストでも「MaxDrawDown」のパラメータに35%が使用されていました。
しかしながら、ベンダーのフォワードテストでは最大38%の有効証拠金ドローダウンが発生しているものの、ポジションはクローズされていません。つまりベンダーの口座では「MaxDrawDown」のパラメータに40%以上の数値が設定されている可能性があります。
もし、推奨設定の「MaxDrawDown」=35%で稼働させていた場合には、35%の残高の減少すなわち残高の三分の一を失うという事態が少なくとも1回は発生しているはずです。
つまり、ベンダーのフォワードテストのような綺麗な曲線ではなく、実際には大きめのドローダウンが発生していたということです。
Accelerator modeの詳細
「Accelerator mode」とはマーケットに強力なトレンドが発生していない期間に、一時的にロットサイズを大きくして、大きな利益を狙う設定です。
「Accelerator mode」をONにする期間は、ベンダーの設定に任せるか、もしくはパラメータにより自分で指定することができます。また、ロットサイズを通常時の何倍にするかを、「AccelerationFactor」のパラメータで指定することができます。
バックテスト比較
2013年1月~2016年12月の約4年間のバックテストの結果では、「Accelerator mode」をONにした方が31倍高い利益を獲得しています。
ONの場合=$759 216 に成長
OFFの場合=$24 437 に成長

しかしながら、長期的な視野で考えると、毎月特定の期間と相場のボラティリティの間に相関関係が存在するとは思えません。
ベンダーの販売サイトのバックテストでは、15年間のバックテストも公開されていますが、なぜ15年間のバックテストではアクセラレータモードが有効化されていないのでしょうか?
「Accelerator mode」をONにした4年間のバックテストは、カーブフィッティング(過去の相場に合わせて最適化)されたものであり、その期間中でのみ有利に作用するものである可能性が高いです。
「Accelerator mode 」を“Auto”に設定することで、ベンダー側がチョイスした期間に設定できるようですが、信頼性は不透明です。
期間をユーザーの判断で任意に設定することもできますが、相場の状況を見極めることができないユーザーが使用すべき機能ではありません。
バックテストの結果だけを見て、「Accelerator mode」が有益な機能であると勘違いするのは危険です。
なにより、ベンダーのMyfxbookの公開結果では、特定の期間でロットサイズが上がっていません。つまり、ベンダーのフォワードテストでも「Accelerator mode」がOFFにされているのです。
「Accelerator mode」の結論
実際にはハイリスクな機能であり上級者でないと使い物になりません。
よほど相場の状態を見極めることができる猛者でない限り、利用しない方が無難でしょう。
Reborn前のForex inControlの結果
Rebornバージョンが販売される前の旧バージョンは非常に評判が悪いです。
あまり良い結果が得られているアカウントは無さそうです。
ただ他人のEAの利用結果は、残高やロットサイズの設定がめちゃくちゃだったり、ドローダウンコントロール機能を低くし過ぎるなど一概にEAの性能を評価することはできません。
残高やロットサイズ設定に気をつければ、ちゃんと利益が出るという可能性もあります。
Forex inControl Rebornの結論
- 基本的にはグリッドトレードで、状況に応じてマーチンゲールを行うタイプのEAです。
- MaxDrawDownのパラメータにより、最大ドローダウンを指定することができますが、比較的大きな損失が一度に出る可能性がある。
- Accelerator modeは非常にハイリスクなパラメータであるため、ONにすることはおすすめしません。そもそもAccelerator modeが付加された高額バージョンを購入する必要がありません。
- 今のところ、フォワードテストでは良い結果が出ています。リスクを理解し、許容するのであれば利用する価値はあるかもしれません。
フォワードテストでは今のところ、ベンダーが指定した最大ドローダウン(少なくとも40%以上)に到達しておらず、良い結果が出ています。月利とドローダウンの発生頻度の割合を考慮すると、今のところは勝てるシステムであると言えます。
もしあなたがこのEAを使用するのであれば、「多くの利益を期待せず固定ロットで運用する」などの対応をお勧めします。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
↓ 知らないと100%損!トレードコスト(スプレッド&取引手数料)を大幅に圧縮する方法 ↓
