Forex inControl Reborn(EA)- 評判・レビュー
- マーチンゲールEA
- リトレースメントを待ったエントリーと値動きに応じたロットサイズ調整が特徴
- 1年以上のリアル口座でのフォワードテスト実績あり
Forex inControl Reborn(EA)の基本情報
ノーマル版 | アップグレード版 | |
価格 | $220 | $270 |
通貨ペア | AUDUSD, EURGBP | AUDUSD, EURGBP |
その他 | アクセラレータモード無し | アクセラレータモード有り |
時間足 | H1 | |
取引スタイル | マーチンゲール / スウィングトレード | |
端末 | MT4 | |
必要最少レバレッジ | 200倍 | |
返金保証 | 30日間の返金保証あり。ただし、ベンダーの推奨設定どおりに稼働させたにも関わらず、40%以上のドローダウンが発生した場合に限る。 |
EURGBPに関してはフォワードテストが行われておらず、ベンダー側もブレクジット絡みで昨今はEURGBPの値動きが荒いことからEURGBPは推奨されていません。
したがって実質的にはAUDUSDの1ペアで稼働するものと考えて差し支えありません。
前作はフォワードテスト等に失敗してあまり評判の良いものではありませんでしたが、2018年からForex inControl「Reborn」として改善・改良され、テストや販売が再開されています。
購入パターンは「ノーマル版」と「アップグレード版」の2種類が存在し、主な違いは高い方の「アップグレード版」は「アクセラレータモード」を使用できるという点になります。
「アクセラレータモード」はパラメータで設定した特定の期間のみロットサイズを上げることができるという機能になり、大きなメリットを享受できるものではないため購入するのであればノーマル版で十分かと思われます。(後で詳しく解説しますが、アクセラレータモードはあくまでバックテスト対策のための機能との認識で良いと思います。)
収益性・ドローダウンの評価
■AUDUSD版
稼働環境:FXOpen(リアル口座)
稼働開始:2018/2/26
(2020/5/3時点)
日付 | 金額 | |
運用開始 | 2018/2/26 | 初期残高:$1,000 |
残高 | 2020/5/3 | 現在残高:$7,531 |
運用ロットサイズ | 変動ロット運用のマーチンゲール | |
期間 | 26ヶ月 | |
合計収益 | +$6,531 | |
合計収益率 | +653.1% | |
月間利率(複利) | +8.1% | |
月間利率(単利) | 変動ロット設定 | |
最大ドローダウン | 対初期残高38.8% | |
勝率 | 74.0% | |
総取引数 | 108回 |
2018年2月のフォワードテスト開始からリアル口座にて、平均月利(複利計算)約8%、残高は約2年という短期間で$1000から7倍以上に膨れ上がっています。
非常に良い結果と言えます。
ドローダウンに関しては約38%と少々大きい水準となっていますが、高い利益率を考えればまだ許容できる範囲かと思われます。
ただ、ロットサイズを増やしながらエントリーするマーチンゲールEAであり、含み損を抱えながら稼働するという点を考慮すると、もう少しロットサイズを下げて運用した方が良いでしょう。
フォワードテストでは$1000の入金で、0.15ロットでスタートしていますが、このロット設定は少々リスクが高いように思います。
バックテストでは$10,000で約0.1ロットでスタートしていますので、当然利益率も下がりますが、リスクを考慮するとバックテストくらいの残高で稼働させた方が良いかと思います。($1000で0.01ロットの比率)
ベンダーの推奨と$1286で0.01ロットとさらに安全目の値となっています。
取引分析-トレード手法の概要
既に説明している通りForex inControlの基本戦略はマーチンゲールとなります。
逆張りでエントリーして、エントリー方向と価格が逆に動けばロットサイズを上げて追加エントリーしていきます。
以下のMT4取引履歴チャートでは、逆張りでエントリーして、価格が逆行すれば追加エントリーをしている様子が分かります。
■EURUSD 4時間足 白=BUY 赤=SELL
また4時間足ベースでみても大き目の値幅でエントリーや決済を行い、数日間ポジションを保有していますので、スキャルピングやデイトレードの類ではなく、比較的長期間ポジションを保有するスウィングトレード系のEAであることがお分かりいただけるかと思います。
取引分析-トレードロジック詳細
Forex inControlのトレードロジックを詳しく解説すると以下の通りとなります。
①-逆張りで初回エントリーする。初回エントリーでそのまま65pipsの利益が出れば利益確定。
②-初回エントリーから60pips価格が逆行した時点で追加エントリー(2ポジション目)する。
この2ポジション目に関しては初回エントリーと同じロットサイズとなる。
2ポジション目から65pips価格が戻れば、5pipsの利益でポジションを決済する。

③-2ポジション目からさらに価格が逆行した場合は、ロットサイズを上げた3ポジション目をオープンする。3ポジション目に関しては高値もしくは安値を更新した後で30pips程度価格が戻った段階でエントリーする。
(通常のマーチンゲールEAは前回ポジションから固定の間隔で追加エントリーしますが、Forex inControlは高値・安値更新後のリトレースメントを待ってから追加エントリーするのが特徴です)
また通常のマーチンゲールEAはロットサイズは固定の倍率(例えば2倍、3倍など)で増えていきますが、Forex inControlはおそらく前回エントリー価格からの距離に応じてロットサイズが計算されています。
前回エントリーから価格が20pipsほどしか離れてない場合には、ロットサイズはほとんど上がりません。一方で、前回エントリーから100pipsほど価格が離れていれば前回エントリーの6倍程度のロットサイズで追加エントリーします。
つまり相場の状態に応じてロットサイズを変更しているということです。
前回エントリーとの間隔が小さければ、むしろ前回からロットサイズが下がるという逆転現象も起こります。
3ポジション目に関しても65pipsの利益が出た時点で利益確定します。

下の取引履歴チャートでは3ポジション目以降は固定の値幅ではなく、バラバラの間隔でエントリーしていることが分かります。
リトレースメントでエントリーしているため、固定の間隔とはなりません。

④-4ポジション目以降に関しては3ポジション目と同様になります。
再度解説すると、高値安値更新後に30pips程度のリトレースメントを待ち、前回エントリーとの距離に応じてロットサイズを増やしたエントリーを行い、65pipsの利益が出れば全ポジションクローズとなります。
取引分析-ロスカット
マーチンゲールEAですので、個別のポジションに対してストップロスは置かれていません。
含み損が出ても、追加エントリーによってリカバリーするという戦略になりますので、比較的大き目の含み損を抱えながら稼働することになります。
もし、含み損が大きく膨らみすぎた場合最悪のケースでは口座が破綻します。
一方、Forex inControlには残高プロテクト機能があり、最大ドローダウン値をパーセンテージで指定してして実質的にロスカットすることが可能となっています。したがって、想定外の損失は防げる仕様になっています。
現時点では最大のポジションをとった実績は5ポジションまでとなっており、残高プロテクト機能が発動された実績はありません。
取引分析-まとめ
Forex inControlの特徴は「リトレースメントを待ってからのエントリー」と「前回エントリーとの価格差に応じたロットサイズ調整」になるかと思います。
マーチンゲールEAは急激なトレンドには弱いという特徴がありますので、ある程度のリトレースメントを待ってからエントリーすることで急激なトレンドのなかでのエントリ-を避け、確率の高いポイントでエントリーするという意図だと思います。
また、前回エントリーとの価格差によるロットサイズ調整に関しては、前回エントリーと価格が離れていなければトレンドの転換点が近く小ロットでも利益が出せる確率が高く、一方で相場が逆に動いたとしてもリスクを取りすぎないという意図かと思います。
相場の状態に関係なく、固定の間隔と、固定の倍率でエントリーする一般的なマーチンゲールEAに比べると、Forex inControlのトレードロジックは合理的なようで好感が持てるかと思います。
当然ながらEAというのは合理的なように感じるとか、好感が持てるなどの判断基準ではなく、過去のフォワードテストやバックテストも含めてトータルで判断すべきですが、
実際にも現時点では良い結果が出ていますので、今のところは期待に応えてくれているというところでしょうか。(もちろん今後の結果は誰にも分かりませんが)
フォワードテスト環境
Forex inControlのフォワードテスト環境はいずれもリアル口座での結果となります。
デモ口座とリアル口座は取引環境が異なります。値動き自体は同じに見えてもスリッページなど約定に関する環境は異なるので、同じEAをデモ口座とリアル口座で同時に動かしても得られる結果が異なります。
Forex inControlは値幅が大き目に設定されていますので、デモ口座とリアル口座で結果は大きく変わらないことが予想されます。
そもそもリアル口座での結果が公開されていますので、リアル口座でも利益が出るということがある程度は証明されていると考えても良いでしょう。
バックテストの結果
■ノーマルバージョン(アクセラレータ無し)
稼働期間 | 2003/1/1~ | 2016/11/30 |
166ヶ月 | ||
初期証拠金 | 10,000 | |
運用ロットサイズ | 変動ロット設定 | |
最終残高 | 217,033 | |
合計収益 | 207,033 | |
合計収益率 | 2170.3% | |
平均月利(複利) | 1.9% | |
平均月利(単利) | 12.5% | |
最大ドローダウン(相対) | 28.1% | |
最大ドローダウン(金額) | 変動ロット設定 | |
プロフィットファクタ | 2.15 | |
勝率 | 65.6% | |
総取引数 | 1202回 |
10年以上のバックテスト実績で、最大ドローダウン30%以内、平均月利(複利計算)1.9%は悪くない数値です。
■アップデートバージョン(アクセラレータ有り)
稼働期間 | 2003/1/1~ | 2016/11/30 |
166ヶ月 | ||
初期証拠金 | 10,000 | |
運用ロットサイズ | 変動ロット設定 | |
最終残高 | 217,033 | |
合計収益 | 207,033 | |
合計収益率 | 2170.3% | |
平均月利(複利) | 1.9% | |
平均月利(単利) | 12.5% | |
最大ドローダウン(相対) | 28.1% | |
最大ドローダウン(金額) | 変動ロット設定 | |
プロフィットファクタ | 2.15 | |
勝率 | 65.6% | |
総取引数 | 1202回 |
この結果を見るとアクセラレータモードの方を使ってみたくなるかと思いますが、アクセラレータモードの実態は、特定期間のみロットサイズを10倍にしてトレードするというものになります。
具体的にはパラメータ指摘によって、各月の11日~13日、25日~30日の間だけロットサイズが10倍でトレードされています。
たまたま、この期間だけ過去の相場の状態がForex inControlのトレードに適していたというだけのことですので、当然利益率は非常に高くなっていますが、将来の相場で通用するものとは思えません。
したがって、利用するのであれば、アクセラレータモードが実装されたアップデート版の方を購入する必要性は特になく、安いノーマルバージョンで十分かと思われます。
関連するEAについて
以下のEAは同一会社から販売されているEAです。
いずれも知名度の高いマーチンゲールタイプのEAであり、特にFXSTABILIZERは長期に渡り好成績を収めているEAとなります。
開発元に関しては不明な部分もありますが、EA自体のトレードロジックやフォワードテストの結果を見て、EAの良し悪しを判断していくべきかと思います。
パラメータ設定
AutoLot | 有効化すると以下の「MaxDrawDown」パラメータに基づき、ロットサイズが残高に応じて自動で設定される。 falseを選択すると「ManualLot」に入力 したロットサイズで初回エントリーする。 |
||
MaxDrawDown | 「AutoLot」が有効化されている場合に、トレードに使用される残高をパーセンテージ単位で指定する。 | ||
ManualLot | 「AutoLot」を無効化した場合に、ここに入力したロットサイズで初回エントリーする。 | ||
Drawdown control | trueを選択すると、最大ドローダウンを制限することが可能。 | ||
Slippage | 許容するスリッページの値 | ||
CloseAll | trueを選択すると、即座に全てのポジショがクローズされる。 | ||
StopDate | EAの稼働をストップさせる日付。 | ||
Accelerator | Trueを選択すると指定された期間にロットサイズを上げてトレードする。リスクが高いので利用する際は要注意。 | ||
NFA | 通常はfalseのままで良い。 米国規制(NFA)のブローカーはFIFO(First in First Out、先入先出法)を採用する必要があり、NFA対応のブローカーに限りtrueにする必要があるが、通常はfalseのままで良い。 |
Forex inControlのまとめ
オーソドックスなマーチンゲールEAのように見えますが、「リトレースメントを待った追加エントリー」や「前ポジションとの価格差に応じたロットサイズ調整」と言った独特の機能が実装されており、これらは合理的なように感じます。
フォワードテストでも良い結果が出いているので利用を検討されても良いと思います。
ただ、フォワードテストのロットサイズは少々リスクが大きすぎます。
海外のベンダーは安定稼働よりも、リスクを取って利益率のインパクトを強調しようとするので、この辺はご愛嬌です。
したがって、ロットサイズについては慎重に調整してください。(ベンダーの推奨は$1286で0.01ロット、最大ドローダウン設定35%となっています。)
ロットサイズを下げれば当然利益率も下がりますが、損失確定の発生確率を避けることができ、安定稼働につながります。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
↓ 知らないと100%損!トレードコスト(スプレッド&取引手数料)を大幅に圧縮する方法 ↓
