FOREX DIAMOND(EA)-評判・レビュー
- 短期逆張りEA
- 1年以上のフォワードテスト実績あり(リアル口座)
- 損益変動がやや大きいが長期稼働前提であれば利用検討の価値あり
FOREX DIAMOND(EA)の基本情報
価格 | $237 |
通貨ペア | GBPUSD, USDJPY, EURUSD, USDCHF |
時間足 | M15 |
取引スタイル | スキャルピング~デイトレード |
端末 | MT4 |
返金保証 | 60日間の返金保証あり。特に返金の条件はなし。 |
FX automater社により開発されており、同開発社のEAとしてはWallStreet Forex Robotも人気があります。
海外製EAはハイリスクハイリターンなマーチンゲールタイプのEAや、非常に値幅の小さい極端なスキャルピング系のEAが多いですが、FX automater社のEAはそのどちらにも属さず、比較的扱いやすいEAを開発していることが特徴です。
FOREX DIAMONDに関しても、目を見張るようなインパクトの強い結果を残すタイプのEAではありませんが、10pips以上の利益をターゲットとしつつロスカットを入れながら稼働しますので、全体的なバランスが良く稼働させやすいEAになるかと思います。
収益性・ドローダウンの評価
稼働環境:IC Markets(リアル口座)
稼働開始:2019/4/8
(2020/4/29時点)
日付 | 金額 | |
運用開始 | 2019/4/8 | 初期残高:A$419 |
残高 | 2020/4/29 | 現在残高:A$699 |
運用ロットサイズ | 固定0.01ロット | |
期間 | 12ヶ月 | |
合計収益 | +A$280 | |
合計収益率 | +66.8% | |
月間利率(複利) | +4.4% | |
月間利率(単利) | +5.6% | |
最大ドローダウン | 対初期残高18.1% | |
勝率 | 74.0% | |
総取引数 | 2096回 |
ただ2019年4月のフォワードテスト開始からリアル口座において、停滞期はあるのの右肩上がりの収益曲線を描いている点は評価して良いかと思います。
固定0.01ロットの運用で平均月利(単利計算)約5%という数値も十分に評価して良い数値かと思います。最大ドローダウン値に関しても20%程度と許容範囲内であると言えます。
取引分析-エントリー
FOREX DIAMONDの売買には複数のロジックが採用されているようで単純なものではありませんが、強いてカテゴライズするならば「短期逆張り」型のEAになります。
トレンドフォローによりトレンドの方向にのみポジションを持つタイプのEAではありません。
以下のMT4取引履歴チャートの左側は比較的強い上昇トレンドとなっていますが、買いと売り両方のエントリーをしていることが分かります。
また右側のレンジ相場でも買いと売り両方で仕掛けています。
■GBPUSD 30分足 白=BUY 赤=SELL
また、以下のMT4取引履歴チャートは下降トレンドでのトレードを拡大したものです。
(補助的にチャネルラインを青色で描画しています)
■GBPUSD 15分足 白=BUY 赤=SELL
トレンドのサポートラインとレジスタンスラインに沿うような形(綺麗に一致はしませんが)で、買いと売りエントリーを繰り返しています。
トレンドフォロー型のEAはトレンド相場においてはトレンドの押し目(理想を言えばサポートライン付近)でトレンドの方向にエントリーしていきますが、FOREX DIAMONDの場合はトレンドからの反発も同時に狙って(理想を言えばレジスタンスライン付近で)、トレンドの方向とは逆にもエントリーします。
したがってトレンド相場においても、短期逆張りによって上昇と下落の両方の値動きを狙いますので、取引頻度は必然的に高くなります。
また、レンジ相場においても短期逆張りでエントリーしていきます。
以下のMT4取引履歴チャートでは、レンジ相場の上下の値動きのうまく対応して細かく利益を出している様子が分かります。
■GBPUSD 15分足 白=BUY 赤=SELL
逆張り系のEAはトレンド相場よりもレンジ相場の方が向いているので、FOREX DIAMONDもレンジ相場の方が得意と言えるでしょう。
取引分析-グリッドトレード
トレンドフォロー型EAと逆張り型EAのどちらが優れており、どちらが結果が良いというのはありません。いずれも一長一短があります。
一般的にトレンドフォロー型のEAはレンジ相場に弱く、逆張り系のEAとトレンド相場には弱いという傾向があります。したがってどちらも好調不調の波があるのは避けられません。
FOREX DIAMONDにおそらく勝率を高めてこの好不調の波を平準化するためだと思われますが、グリッドトレードが採用されています。
グリッドトレードとは、初回のエントリー方向とは価格が逆方向に動いた場合に、初回エントリーと同一の方向に追加のエントリーを繰り返すという手法になります。
追加エントリーには、「初回エントリーポイントまで価格が戻らなくても利益を狙うことができる」という効果がありますので、必然的には勝率があがります。
また、初回エントリーにも利益が出るポイントまで待てば、追撃エントリー分の利益も上乗せされることになります。
以下のMT4取引履歴チャートは追加エントリーをしている様子になります。初回エントリーから価格が逆行しても追加のエントリーによってトータルポジションで利益を出していることが分かります。
■GBPUSD 5分足 白=BUY 赤=SELL
ただ、グリッドトレードは勝率を挙げることができるものの、ポジション数が増えますので当然リスクも上がります。もし、エントリー後、相場が上下せずに一方向に動けば大きなダメージをくらう可能性があります。
なかには口座が破綻するまで追加エントリーを繰り返すようなハイリスクなグリッドトレードEAもありますので、一般的には避けられがちな手法となります。
一方、FOREX DIAMONDの場合はグリッドトレードはするものの、比較的早めにロスカットで切り上げるという特徴があり、一連のトレード自体はそこまでハイリスクなものではありません。
以下のMT4取引履歴チャートでは、追加エントリーを数回行った後にロスカットしている様子が分かります。
■GBPUSD 5分足 白=BUY 赤=SELL
また最大の追加エントリー回数は4回まで(すなわち最大ポジション数は5つまで)となっており、追加エントリー時にロットサイズが上がるマーチンゲールタイプでもないため、過剰すぎるロットサイズにはなっていません。
また毎回グリッドトレードする訳ではなく、追加エントリーせずに単一のポジションのままロスカットが入ることもあります。
追加エントリーにより大き目のリスクを取るのはEAのロジックにより、成功確率が高いと判断された場合に限られるものと思われます。
以下のMT4取引履歴チャートの右側では売りエントリー後に価格は上昇していますが、追加エントリーなしに単一ポジションでロスカットが入っている様子が分かります。
■GBPUSD 5分足 白=BUY 赤=SELL
これらを総合的に判断すると1トレードあたりのリスクが大きすぎるという訳ではありません。
ただし、複数ポジションを持った状態でロスカットが入った場合には、大き目の損失が出るという点はあらかじめ認識しておいた方が良いでしょう。
取引分析-利益確定/ロスカット
FOREX DIAMONDのポジションの決済(利益確定/ロスカット)は内部ロジックがメンイとなり、固定のpip幅での決済ではありません。
したがって状況によって利益確定値、ロスカット値は異なりますが、利益確定は11~15pips程度、ロスカットは30~45pipで入ることが比較的多いパターンとなります。
ただ、頻度としては稀ですが100pipsの利益確定や、220pipsのロスカットが入った実績もあります。
1トレードあたりで平均すると平均利益は12pips程度、平均損失は24pips程度となります。
したがって、利益確定より大き目のロスカットが入るものの、高い勝率でトータルで利益を狙うタイプのEAだと言えます。
良く言われる損小利大ではありませんが、損小利大でも勝率が低くトータルで負けては意味がありませんので、利益確定、ロスカット、勝率の全ての要素のバランスが重要となります。
FOREX DIAMONDはトータルで利益が出ていますので特に問題はないと思いますが、利益確定よりもロスカットの方が平均すると2倍程度大きくなるという点は認識しておいた方が良いと思います。
取引分析-取引頻度
単純にエントリーなエントリー回数で計算すると、1年間で約2100回エントリーしていますので、1ヶ月あたり175回、1日あたり8.8回エントリーしている計算になります。
グリッドトレードを一連のトレードと考えても、1日で4~5回ほどは取引するというイメージで良いかと思います。
トレンド相場、レンジ相場に関わらず、売りと買いの両方でエントリーしますので取引頻度は必然的に高くなります。
フォワードテストの通貨ペア別の取引回数は以下の通りとなります。
■通貨ペア別 取引回数/獲得pips/損益(2019/4/8~2020/4/29)
通貨ペア | 取引回数 | 取引割合 | Pips | 損益(A$) | 勝率(%) |
GBPUSD | 1743 | 83% | 2,164 | 177 | 73% |
USDJPY | 353 | 17% | 881 | 103 | 74% |
合計 | 2,096 | 100% | 3,045 | 280 |
EURUSD, USDCHFも対象通貨ペアとなっていますが、フォワードテストでは今のところ取引が行われていません。
フォワードテスト環境
FOREX DIAMONDのフォワードテスト環境はいずれもリアル口座での結果となります。
デモ口座とリアル口座は取引環境が異なります。値動き自体は同じに見えてもスリッページなど約定に関する環境は異なるので、同じEAをデモ口座とリアル口座で同時に動かしても得られる結果が異なります。
WallStreet Forex Robotはリアル口座での結果が公開されていますので、リアル口座でも利益が出るということがある程度は証明されていると考えても良いでしょう。
ただ、業者によっても結果が異なる可能性があるため優良業者を選択することが必要です。
バックテストの結果
稼働期間 | 1999/1/4~ | 2018/2/1 |
228ヶ月 | ||
初期証拠金 | 2,500 | |
運用ロットサイズ | 【固定】0.1ロット | |
最終残高 | 116,126 | |
合計収益 | 113,626 | |
合計収益率 | 4645.0% | |
平均月利(複利) | 1.7% | |
平均月利(単利) | 19.9% | |
最大ドローダウン(相対) | 15.8% | |
最大ドローダウン(金額) | 1,887 | 対初期残高75.5% |
プロフィットファクタ | 1.58 | |
勝率 | 78.1% | |
総取引数 | 29144回 |
残高$2500スタートの、固定0.1ロット運用(単利運用)で、20年弱のバックテスト実績があり、平均月利(単利計算)約20%、最大ドローダウン約16%は非常に優秀な結果であると言えます。(あくまでバックテストですが)
つまり平均すると0.1ロットの運用で月約$500(約5万円)、最少の0.01ロットの運用で月約$50(5千円)の利益となります。(あくまで平均ですので波があります。)
ただ、最大ドローダウン16%というのは、稼働から時間が経過してあくまで増えた残高ベースの値となります。
最大ドローダウンの絶対値は$1887と初期残高に対して75%程度の値となっています。つまり稼働開始直後にこのドローダウンが発生していれば、アカウントは危険な状態になっていたでしょう。
したがって、利益率は下がりますが、バックテストよりはロットサイズを落として運用した方が良いかと思います。
ロットサイズをバックテストの3分の1に設定すれば、最大想定ドローダウンも25%程度に抑えることができます。(残高$2500で0.03ロット~0.04ロット程度、すなわち残高$700程度で最少0.01ロット)
期待平均月利(単利)も5%程度に下がりますが、それでも十分な値と言って良いでしょう。
バックテストの結果に基づけば、$700につき0.01ロットくらいの比率であれば、複利運用(残高に応じてロットサイズを上げていく)も想定して良いかと思われます。
FOREX DIAMONDのまとめ
トレンド相場・レンジ相場に関わらず短期逆張りで利益を狙う高頻度取引型のEAです。
損小利大ではないものの、ロスカットを入れながら10pips以上の利益を狙ってトレードしますので精神的にも稼働させやすいという点がFOREX DIAMONDの良い部分かと思います。
このタイプのEAで継続して利益が出ているものは少ないので、希少価値の高いEAと言って良いでしょう。
グリッドトレードにより複数ポジションを持つため、大き目のロスカットが入ることがある点は覚悟しておくべきですが、ロットサイズを適正に設定すれば口座が一発で壊滅的被害を受ける可能性は低いです。
現時点では大き目のロスカットが入りながらも高い勝率によりトータルで利益が出ていますので、今後に期待したいところです、
ただ短期的に見ると損益変動が少々大きい部分がありますので、長期稼働を前提にじっくり稼働させないと、このEAに期待すべき良い部分が発揮されないかと思います。
このEAのリスクや特性を理解し、長期稼働を前提にするならば利用を検討しても良いEAかと思います。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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