Easy Walker Fx(EA)のレビューと検証 |ホントに良いEA?
Easy Walker Fxはアジアセッションでスキャルピングを行うEAです。
2015年から長期間に渡りフォワードテストが継続されており、良い結果を出し続けているように見えますが、利用する価値はあるのでしょうか?
スキャルピングEAは1トレードあたりのリスクが低く取引頻度も高いの人気ですが、実際には少々扱いづらい部分もあるので注意してください。
Easy Walker Fxの基本情報
- 価格: $349
- リアルライセンス数:1
- サポート:あり
- 返金保証:無条件で30日間。販売サイトには「EAに満足できない場合はいかなる理由であっても返金に応じる」との記載あり。
- 通貨ペア:推奨されるペアは時期によって異なる。
- 推奨レバレッジ:特になし
Easy Walker Fxのライブパフォーマンス
ブローカー別で複数のフォワードテストの結果が、Myfxbookに公開されています。
■ICMarkets
■Pepperstone
■FXOpen
利用するブローカーによって結果に大きな差があるのが分かります。
ICMarketsでは良い結果が出ていますが、PepperstoneとFXOpenでの結果は良いとは言えません。
FXOpenではSTPアカウントが利用されており、STPアカウントは比較的スプレッドが広いので、結果が良くないのかもしれません。
このように利用するブローカーによって得られる結果が大きく異なるのが、スキャルピングEAの特徴でもあります。
なぜなら、スキャルピングEAはわずかなpipsを狙ってトレードをするので、スプレッドやスリッページの差によって得られる利益が変わるからです。
「塵も積もれば山となる」という言葉が当てはまります。
また、利用するVPSとブローカーのサーバーとの距離や通信速度によっても、結果は異なります。
したがってスプレッドの狭いアカウントで稼働させる必要があります。
スキャルピングEAは稼働環境に繊細なのです。
Easy Walker Fxの取引の特徴
繰り返しになりますが、アジアセッションでスキャルピングをするEAです。
アジアセッションとは、イギリス夏時間で表すと深夜24時~9時、日本時間で表すと8時~17時の時間帯が該当します。
Easy Walker Fxはアジアセッションが始まる少し前の時間帯(イギリス時間で夜22時頃、日本時間で朝6時頃)にトレードを開始する傾向があります。
アジアセッションは急激な値動きが起こりづらく、スキャルピングには適した時間帯と言えるでしょう。
アジアセッションのスキャルピングEAで有名なものは以下のものがあります。
アジアセッションは小刻みなレンジ相場を形成しやすいという特徴がありますので、これらのEAは基本的には逆張りでエントリーします。Easy Walker Fxもレンジ相場を狙って逆張りでエントリーします。
Easy Walker Fxのエントリーロジックには練行足とストキャスティクスが使用されています。
練行足とは非時系列足であり、基準となるpips数動いたら足が増えていきます。
以下は1pipsの練行足にストキャスティクスを表示させたものです。
■EURUSD /1pips renko chart
練行足は小さな値動きや時間軸などのノイズを削除しているため、トレンドやレンジなど相場の状況が視覚的に判断しやすくなります。EAをプログラミングする際にも同じことが言えるのでしょう。
実際に取引履歴をチャート上で確認するとEasy Walker Fxはレンジ相場を形成している時にエントリーすることが多いです。
相場がポジションと逆行した場合は、10pips程度の比較的小さな含み損は許容して、ブレイクイーブンまたは非常に小さい利益でポジションをクローズしようとします。
なので、相場が急激に動けば30~50pips程度の大きな損失を出すこともあります。
Easy Walker Fxのベンダーについて
Easy Walker Fxは「ARGO LABO」というベンダーから販売されています。
ベンダーの信頼性は?
「ARGO LABO」からは他にも以下のEAが販売されています。
- Forex Warrior EA
- Strike Fx
- Catcher Fx
- Tricky Twister EA
- Tricky Twister ЕА
- FX Splitter EA
- Fiddler EA
マーチンゲールEAが多く、どれも良い結果が出ているとは言い難いですが、製作したEAをサイトで公開する姿勢には好感が持てます。
EAの販売者たちは、粗悪なEAを大量に販売しようとしてほとんど同一ロジックのEAを別人のフリをして売ろうとすることもあります。ひとつのEAの評判が悪くなると、他のEAも売れなくなってしまうからです。
一方で、「ARGO LABO」は自身が製作したEAの一覧を公式サイトに掲載しています。
またフォワードテストの結果を隠すという意図もありません。
ベンダーとしては好感が持てます。
ただし、ベンダーに交換が持てるとしても、EAが良い結果を出すかどうかは別問題です。
それぞれのEAの特徴やリスクを検討して、使用の判断をすべきです。
メンバーズフォーラム
Easy Walker Fxには専用のメンバーズフォーラムが準備されています。これは、EAのベンダーである「ARGO LABO」が運営しているフォーラムです。
フォーラムでは以下のサービスを受けることができます。
- ユーザーの質問にサポートが回答してくれる。
- 最新のパラメーターのセットファイルを入手できる。
- EAのアップデートに関する情報を入手できる。
サポート体制としては、非常に優れていると思います。
ただ、フォーラムへの書き込みが少ないので、このEAのユーザーはあまり多くないことが予想されます。
Easy Walker Fxの結論
ベンダーとしての信頼性は比較的高いです。SCAMベンダーではないと言って良いでしょう。
フォワードテストでも約5年間の長期間に渡り良い結果を示しています。
期待の持てるEAであることは間違いありません。
しかしながら、Easy Walker Fxを使って利益を得られるかどうかは不透明な部分も多いです。
なぜなら、Easy Walker Fxはわずかなpipsを狙うスキャルピングEAだからです。利用するブローカーやVPS環境によって、結果に差が出る可能性があります。
わずかなスプレッド、スリッページ、約定速度の差であっても、取引回数が増えれば大きな差になって現れます。
また、フォワードテストでは今のところ少ないロットサイズでしか取引が行われていません。
ロットサイズを上げれば約定速度が遅くなり、利益が出なくなるリスクもあります。このEAでは大きな利益を望むべきではありません。
推奨ブローカー
既に説明しているとおり、稼働環境としては最も取引コストの低いブローカーを選択することが重要です。
リアル口座でのフォワードテスト環境は、ICMarketsとなっています。ICMarketsは取引コストの小さい優良ブローカーですが、残念ながら日本居住者は規制により利用できません。
日本語サポート対応の最も低スプレッド・低手数料のブローカーはAxiory(アキシオリー)となります。取引サーバーが東京に設定されていることなどからも早い約定が期待できます。TradeViewも低取引コストで有名ですが最少取引単位が0.1ロット~とハードルが高いことなどを考えると、Axioryの方がトータルで良いと言えます。
Easy Walker Fx(EA)-の基本情報
価格 | $349 |
通貨ペア | AUDCAD, EURUSD, GBPUSD, GBPCAD,EURGBP, GBPCHF, EURJPY, USDCAD |
時間足 | M15 |
取引スタイル | スキャルピング |
端末 | MT4 |
返金保証 | 30日間の返金保証あり。特に返金条件はなし |
8つの通貨ペアにおいて、高頻度エントリーでスキャルピングします。
2014年の初旬からフォワードテストが開始されており、比較的古くから販売されているEAになります。
収益性・ドローダウンの評価
Easy Walker Fxは複数の業者でフォワードテストが行われています。
稼働環境:IC Markets(リアル口座)
稼働開始:2014/3/17
(2020/5/3時点)
日付 | 金額 | |
運用開始 | 2014/3/17 | 非公開 |
残高 | 2020/5/3 | 非公開 |
運用ロットサイズ | 残高に応じた変動ロット設定 | |
期間 | 73ヶ月 | |
合計収益 | 非公開 | |
合計収益率 | +619.7% | |
月間利率(複利) | +2.7% | |
月間利率(単利) | 変動ロット設定 | |
最大ドローダウン | 16.4% | |
勝率 | 71.0% | |
総取引数 | 5298回 |
2014年3月からの運用で約6年という長期に渡り、右肩上がりの収益曲線となっている点は評価して良いでしょう。
平均月利(複利計算)+2.7%、最大ドローダウンに関しても16.4%と十分に素晴らしい結果と言えます。
Easy Walker Fxは日本時間(GMT+9)の早朝(午前6時~7時頃)、MT4サーバー時間(GMT+2/3)の深夜(午後11時~午前1時頃)を狙ってトレードします。
このタイミングは小刻みなレンジ相場になりやすく、短期逆張りでのスキャルピングには適した時間となっています。
一方でこの時間帯は市場の流動性が低い(取引が活発ではない)ため、FX業者のスプレッドが開きやすく、またスリッページが発生しやすくなります。
したがってこの時間帯の小さな値幅を狙うスキャルピングは利用するFX業者によって、結果が異なります。
Easy Walker Fxはまさに最も利用するFX業者によって結果が左右される類のEAである点は認識された方が良いかと思います。
取引分析-エントリー
既に記載した通り、日本時間の早朝に短期逆張りスキャルピングトレードを仕掛けていきます。
以下のMT4取引履歴チャートでは、特にトレンドの方向とは関係なく、エントリーして細かく決済している様子が分かります。
■EURUSD 4時間足 白=BUY 赤=SELL
また以下のMT4取引履歴チャートはは5分足でエントリーポイントを拡大してみたものですが、超短期逆張りでエントリーしていることが分かります。
■EURUSD 5分足 白=BUY 赤=SELL
上のチャートの右側では買いポジションを利益確定した後で、即座に売りエントリーしていますが、このように状況によってはドテンしてさらに利益を狙いに行くことがあります。
取引分析-決済
Easy Walker Fxのポジションクローズは内部ロジックメンイとなりますので、利益確定・ロスカットのpips幅は状況によって異なります。
全体的な傾向でいうと利益確定は大体10pips以内で、ロスカットに関しては10~20pipsとなることが多いです。
平均値としては、利益確定-6pips、ロスカット-12pipsとなります。
平均してロスカットの方が利益確定よりも2倍近い水準になるものの、ロスカットも比較的小刻みに入れながら稼働するEAであることが分かります。
取引分析-取引頻度
Easy Walker Fxは非常に取引頻度が高いタイプのEAになります。
約1450日(土日除く)の稼働日数で、全通貨ペアの合計で約5300回エントリーしています。
1日に換算すると3.5回エントリーしているという計算になります。
通貨ペア別で見ると以下のとおりとなります。
■通貨ペア別 取引回数/獲得pips
通貨ペア | 取引回数 | 取引回数割合 | 獲得Pips |
USDCAD | 947 | 18% | 710.2 |
EURUSD | 876 | 17% | 845.1 |
EURJPY | 873 | 16% | 1228.1 |
EURGBP | 637 | 12% | 752 |
GBPUSD | 632 | 12% | 421.7 |
GBPCAD | 521 | 10% | 690.9 |
AUDCAD | 332 | 6% | 774.6 |
GBPCHF | 316 | 6% | 11.2 |
AUDUSD | 164 | 3% | 101.4 |
計 | 5,298 | 100% | 5,535 |
フォワードテスト環境
Easy Walker Fxのフォワードテスト環境はいずれもリアル口座での結果となります。
デモ口座とリアル口座は取引環境が異なります。値動き自体は同じに見えてもスリッページなど約定に関する環境は異なるので、同じEAをデモ口座とリアル口座で同時に動かしても得られる結果が異なります。
そもそもリアル口座での結果が公開されていますので、リアル口座とデモ口座の結果の差については考える必要はありません。
ただし、既に説明したとおり、市場の流動性が低いタイミングでスキャルピングトレードするEAとなりますので、取引環境に違いに敏感であることは認識されておいた方が良いでしょう。
したがって利用するブローカーによって結果が異なる可能性があります。
バックテストの結果
稼働期間 | 2010/1/3~ | 2013/6/25 |
41ヶ月 | ||
初期証拠金 | 1,000 | |
運用ロットサイズ | 【固定】0.1ロット | |
最終残高 | 34,598 | |
合計収益 | 33,598 | |
合計収益率 | 3459.8% | |
平均月利(複利) | 9.0% | |
平均月利(単利) | 変動ロット設定 | |
最大ドローダウン(相対) | 31.8% | |
最大ドローダウン(金額) | 変動ロット設定 | |
プロフィットファクタ | 1.72 | |
勝率 | 76.3% | |
総取引数 | 1247回 |
しかしながら少々フォワードテストの結果と乖離しすぎているという印象を受けますので、バックテストの結果はあまり参考にしない方が良いでしょう。
バックテストはスプレッドやスリッページが固定された環境での結果になりますので、朝スキャ系のEAはバックテストとリアル口座の結果が乖離しやすいという傾向にあります。
Easy Walker Fxのまとめ
Easy Walker Fxは多通貨ペアでアグレッシブにエントリーするスキャルピングEAとなります。
フォワードテストでも良い結果が出ているアカウントがあります。
ロスカットと利益確定のバランスが悪い訳ではなく、極端なコツコツドカンではないため期待したいところですが、取引の時間帯と言う点では不透明性が高いというのが事実です。
Easy Walker Fx が主戦場とするMT4サーバー時間(GMT+2/3)で0時台近辺というのは最もスプレッドが広がりやすく、スリッページが起こりやすい時間になっています。
この時間帯にわずずかなpips幅を狙ったスキャルピングは稼働環境に左右されます。
利用するブローカーなどで結果は異なってくるかと思いますので、扱いづらいEAであることは間違いありません。
利用するのであれば、スプレッドの狭い優良業者において、上記の懸念事項を認識した上で利用された方が良いでしょう。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
↓ 知らないと100%損!トレードコスト(スプレッド&取引手数料)を大幅に圧縮する方法 ↓
