FX 自動売買(EA)とPAMMの比較【メリット・デメリットを解説】
FXトレードで成功を収めるのは簡単なことではありません。実際に90%以上のトレーダーは負けています。
もし裁量トレードがうまくいかなかったとしても、FXには自動売買システム(EA)を利用したり、PAMMにより他のトレーダーに取引を任せるという選択肢もあります。
このページではEAとPAMMのメリットとデメリットを詳しく解説してみました、
EAのメリットとデメリット
EAとは?
EA(Expert advisor)はMT4ターミナル上で動く、自動売買システムです。
あなたの意思に関係なく、自動的にエントリー、決済のタイミングを判断します。
EAに運用にかかるコストは?
EAの購入価格はものによりますが、2万円~5万円のものが多いです。
EAは日本国内のものであれば「GOGO JUNGLE(通称ゴゴジャン)」、海外製のものであれば「MQL5」「FOREX STORE」などで購入することができます。
これらのEA販売サイト以外でも、独自に販売サイトを立ち上げてEAを販売していることもあります。
またEAを稼働させるためにはMT4を起動させたパソコンを24時間稼働させておく必要があります。
自分自身のパソコンを24時間稼働させると以下のようなデメリットがあります。
PCフル稼働のデメリット
- 電源ダウンやネットワーク不調などにより通信不良が起こった場合、EAが動かず大損失が発生するリスクがある。
- パソコンを24時間動かすと電気代が多くかかる。
- パソコンを24時間動かすとパソコンの消耗が早くなり、早期に買い替えが必要となる。
このように自分のパソコンでEAを動かすのはデメリットが多いのです。
ですので、EAを動かす場合はVPS(Virtual Private Server)というレンタルサーバーを利用するのが一般的です。
レンタルサーバーの利用には月額で約2,000円程度のコストが必要になります。
儲かるEAはあるの?
私は国内EA、海外EAを問わず、数百を超えるEAの特徴やパフォーマンスを実際に確認してきました。
有名なEAについては参考になるように、「EAレビュー記事」として順次記事を作成中です。
勝ち続ける可能性があるEAもありますが、利用するのであれば以下のようなEAの弱点を認識しておく必要があります。
EAの弱点
- 単一のロジックが採用されたEAは、一定期間内だけであれば良い結果を残すが、相場の動きが変わると利益が出なくなる可能性がある。
- EAは稼働環境によって結果が大きく異なるため、開発者のテストと同じ結果が得られるかどうか使ってみないと分からない。(特にスキャルピングEAはデモ口座であれば良い結果を残すが、リアル口座ではスリッページなどの影響で負けることが多い。また、利用するブローカーやVPSによっては結果が大きく異なるなど。)
不安要素も多いEAですが、勝ち続ける可能性があるEAももちろんあります。
EAのメリット・デメリットまとめ
EAのデメリット
- EAの購入、MT4へのセット、パラメータ設定、必要に応じてVPSレンタルなど稼働させるまでが少々大変。
- 有料EAの場合は数万円の購入費用がかかる。
- VPSを利用する場合が月額の固定費が発生する。EAがVPS料金を上回る利益を出さない限り収支はマイナスになるので、少々大きな資金ボリュームでトレードする必要があり。
- 特にスキャルピング系EAの場合は稼働環境により結果が異なるので、使ってみるまで結果が分からないというリスクがある。
EAのメリット
- 自分でパラメータを調整することでロットサイズやリスクをカスタマイズできる。
- 得た利益は全額自分のものになる。
これから詳しく解説するPAMMアカウントと比べてEAを利用した自動売買は少々ハードルが高くなります。
PAMMのメリットとデメリット
PAMMとは?
トレードを行うマネージャーと出資者を結びつけ、共に利益を得ることができる仕組みです。
マネージャーは自分自身と出資者の利益の配分を事前に決定しておきます。
出資者への利益分配70% : マネージャーへの利益分配30%
出資者への利益分配80% : マネージャーへの利益分配20%
実際にトレードを行い、利益がでれば分配比率に応じてマネージャーと出資者に利益が分配されます。
逆に損失に損失が出た場合もマネージャーと出資者に分配されます。
PAMMへの出資にかかるコストは?
PAMMはアカウントに入金すれば、あとはマネージャーのトレード結果によって損益が配分されるのを待つだけになります。
利益配分比率に応じてマネージャーへ多く利益が配分されますが、その他のコストや手間が必要ないのは大きなメリットです。
(固定コストはかかりませんが、もちろん入金した資金を失うリスクはあるので注意してください。)
PAMMのコストメリット
- EAのようにソフトの購入代金が必要ない
- VPSレンタル料などの固定費が必要ない
- チャート分析や取引のパソコンも必要ない
- スマートフォンでPAMMアカウントに入金処理するだけで良い
- VPSやMT4の設定などの手間がかからない
このように裁量トレードやEAを使ったシステムトレードよりもコストや手間がかかりません。
PAMMのメリット・デメリットまとめ
PAMMのメリットとデメリットを解説します。デメリットもありますが、私はEAに比べるとメリットの方が大きいと思います。
PAMMのデメリット
- トレードの履歴を確認できないPAMM提供ブローカーの場合には、取引手法の検証が難しい。取引結果のグラフだけを見ると良い結果が出ているように見えても、実際には非常にハイリスクな手法が使用されている可能性がある。
- 出金依頼をしても、即座に出金できない。(マネージャーによるトレード活動を保護するため1~2週間おきにしか出金処理ができないケースが多い。これはポジションを保有している最中にフリーマージンを超えるような出金は現実的にできないことによる)
- 良くも悪くも、トレードに自己の裁量を介入させることが一切できない。完全にPAMMマネージャーの判断に取引を委ねることになる。
PAMMのメリット
- 固定費や手間が一切かからない。入金処理さえすれば後は何もする必要はない。これがPAMM最大のメリット
- ブローカーが公開している結果がそのまま自分のアカウントに反映される。なので、過去の結果から、期待値を予測して投資の判断をすることが可能。
メリットの2番目に関する補足ですが、PAMMではEAのようにブローカー、アカウント種別(リアルorデモ)、VPSなどによって結果が大きく異なるということがありません。これは非常に大きなメリットです。
EAでは販売者のフォワードテストでは良い結果が出ているのに、実際に使ってみると負ける可能性があります。
一方、PAMMではマネージャーと利用者の結果は共通しています。(当然、利益の配分比率によってPAMMマネージャーは報酬を得ますが、取引の結果自体はマネージャーと出資者で共有されます。)
>>PAMM提供ブローカーの一覧
PAMMとEAの比較-まとめ
PAMMとEAにはどちらもメリットとデメリットがあります。
あくまでEAとの比較においてですが、PAMMの方が固定費や手間もかからないのでハードルが低く、また良い結果が期待できるものが多いと思います。
一方でEAには自分で取引をカスタマイズできるという「おもしろさ」があります。
ただし、EA、PAMM、裁量トレードの全てにおいて、当然資金を失う可能性がある点は覚悟しておく必要があります。
このリスクを理解した上で、我々はどの方法が一番期待値が高いのかを検証しながら資金を投入していく必要があります。