デュアル・キャスト(EA)-評判・レビュー
- 仲値トレード系EA
- 日本時間9:55の売りエントリーがメンイ
- 利益確定/ロスカットの値幅が同等
デュアル・キャスト(EA)の基本情報
価格 | ¥25,700(税込) |
時間足 | M1 |
通貨ペア | USD/JPY |
取引スタイル | スキャルピング |
開発者 | Wealth Tech Systems株式会社 |
同開発者の他のEAレビュー | Sentinel |
販売サイト | GOGOJUN |
端末 | MT4 |
↓販売ページの説明↓
販売サイト上では『2つのEAが1つになったデュアルシステム採用』などと記載されていますが、実態としては仲値トレードの売りエントリーをメンイにして、条件が合えば買いエントリーを入れるというロジックになります。
販売ページには「1つのEAに2つの独立したロジック」との記載がされていますが、見る人が見れば仲値トレードEAであることはすぐに分かると思うので取引戦略はオープンにして記載した方が良いのではないでしょうか。
取引ロジックはブラックボックスにしたいという気持ちは十分に分かりますが、逆に「何か隠そうとしているのでは?」とユーザーに対する不誠実さとも捉えられても仕方がありません。
脱線しましたが、これはEAの性能や期待値とは関係ないことですので、特に気にしすぎる必要もないかと思います。
さて、「仲値」とは、銀行が企業などの顧客と両替をするために平日9時55分に設定される基準レートになります。
特に5の倍数の日にち(通称ゴトー日)については、仲値の決定後に日本企業(特に輸入企業)のドル買いが盛んになるという傾向があります。
(例えば5日、10日、15日、20日、25日、30日。5の倍数の日が土日祝の場合はその前の金曜日)
銀行側は仲値発表の前にドルを買っておけば、「決定後の仲値」と「事前の買値」との差額が銀行の利益になるため、仲値を発表前にドル買いをします。
これにより、仲値発表直前の9時半ごろ~発表時間である9時55分までの間にかけてドル円が上昇し、9時55分以降はドル円が下落する傾向にあると言われています。
この傾向を利用して9時55分からの下落をメンイターゲットとして自動売買を行うのが、デュアル・キャストの特徴となります。
『2つのEAが1つになったデュアルシステム採用』と小難しい紹介がされていますが、実際には「仲値トレード」というシンプルなロジックのEAとなります。
収益性・ドローダウンの評価
■2020/4/23時点
日付 | 金額 | |
運用開始 | 2019/3/5 | 初期残高:¥1,000,000 |
残高 | 2020/4/23 | 現在残高:¥2,573,005 |
運用ロットサイズ | 変動ロット運用 | |
期間 | 13ヶ月 | |
合計収益 | +¥1,573,005 | |
合計収益率 | +157.3% | |
月間利率(複利) | +7.5% | |
月間利率(単利) | 変動ロット運用のため表示なし | |
最大ドローダウン | 対初期残高29.7% | |
勝率 | 61.6% | |
総取引数 | 289回 |
※初期残高100万円、固定ロット運用における最大ドローダウン値は(297,656円円であり、初期残高に対するドローダウン値は29.7%となります。
まず、1年以上のフォワードテストにおいてトータルで利益が出ている点は評価して良いかと思います。
残高に応じた変動ロットで運用されていますので、損益のブレは比較的大き目で最大ドローダウンが30%と比較的大きい一方で、利益率に関しても高い値となっています。
なおバックテストの最大ドローダウンは50%近くになっていますので、ロットサイズの調整に関しては少し慎重になった方が良いものと思われます。
取引分析-エントリー
既に説明したとおり仲値トレードの売りエントリーをメンイにしたEAとなりますので、仲値の決定時間すなわち日本時間(GMT+9)で9時55分、MT4サーバー時間(GMT+2/3)で2時55分もしくは3時55分に売りエントリーを仕掛けていきます。
また、条件が合えば日本時間で9時25分ごろに買いエントリーを入れて、9時55分にドテンして売りエントリーに切り替えます。
GOGOJUNのフォワードテストの履歴を見れば、この傾向がすぐにお分かりいただけるかと思います。
仲値トレードは通常、ゴトー日(5の倍数の日にち※休日の場合その前日)の方が成功確率が高いと言われていますが、デュアル・キャストの場合は特にゴトー日にこだわらずにトレードします。
取引頻度としては、2日に1回程度の認識で良いでしょう。
以下のMT4取引履歴チャートでは売りをメンイにエントリーしている様子がお分かり頂けるかと思います。
■USDJPY 1時間足 白=BUY 赤=SELL
取引分析-決済値幅
デュアル・キャストの決済は内部ロジックメンイとなりますので、状況によってバラつきがあります。利益確定、ロスカットともに10pips以内で決済されることもあれば、50pips近い値幅になることもあります。
状況によって差がありますが値幅の小さいスキャルピングEAではなく、デイトレード寄りのEAと捉えるべきでしょう。
また、デュアル・キャストの決済の特徴は利益確定とロスカットの値幅がほぼ同等程度となっていることです。
ロスカット幅が利益確定幅に比べて非常に大きく設定されているコツコツドカン型(コツコツ積み上げた利益を一回の負けで吹き飛ばす)のEAではないため、稼働させる上で精神的には楽かと思います。
その分勝率としては低めになりますが、トータルで利益が出ていますので特に問題ではありません。EAの良し悪しというのは勝率やプロフィットファクタなど断片的な情報だけではなく、トータルのバランスで考える必要があるのです。
フォワードテスト環境
デュアル・キャストのフォワードテスト環境は正確には不明ですが、おそらくデモ口座での稼働結果となります。。
デモ口座とリアル口座は取引環境が異なります。値動き自体は同じに見えてもスリッページなど約定に関する環境は異なるので、同じEAをデモ口座とリアル口座で同時に動かしても得られる結果が異なります。
デュアル・キャストの場合は値幅の狭いスキャルピング系のEAではないため、デモ口座とリアル口座の違いにそこまで敏感ではなく、結果にそこまで大きな差は出ないことが予想されますが、結果がズレる可能性がある点は認識が必要です。(良い方向にも悪い方向にも結果がズレます。)
バックテストの結果
稼働期間 | 2005/1/10~ | 2019/2/26 |
169ヶ月 | ||
初期証拠金 | 1,000,000 | |
運用ロットサイズ | 変動ロット運用 | |
最終残高 | 9,867,862,920 | |
合計収益 | 9,866,862,920 | |
合計収益率 | 986786.3% | |
平均月利(複利) | 5.6% | |
平均月利(単利) | 変動ロット運用のため表示なし | |
最大ドローダウン(相対) | 47.1% | |
最大ドローダウン(金額) | 変動ロット運用のため表示なし | |
プロフィットファクタ | 1.52 | |
勝率 | 56.4% | |
総取引数 | 3867回 |
バックテストの結果のみを妄信して、リアル口座で稼働させるのは危険であり、あくまで参考情報として活用するというスタンスが良いと思います。
デュアル・キャストの場合は、フォワードテストとバックテストの結果や取引内容に大きな差はないため、バックテストの結果も参考にして良いものと思われます。
ただし、バックテストでは変動ロット運用(複利モード)で50%近いドローダウンが発生しており少々リスクが高い状態になっていますので、ロットサイズは少し落とした方が良いかもしれません。
デュアル・キャスト(EA)のまとめ
仲値トレードの売りをメンイ戦略にしたEAです
このEAの良いところは、シンプルで一般的に優位性があるとされているトレードロジックであること、利益確定幅とロスカット幅が同等程度で1トレードあたりのリスクが小さいことになります。
損益のブレは多少大きくなるかと思いますが、トータルで利益は出ていますので十分に利用を検討する価値はあると思います。
ただし、収益率をあげようとフォワードテストよりもロットサイズを上げるのは少々危険かと思いますので、ロットサイズの調整には慎重になった方が良いかと思います。
なお、仲値トレード系のEAは他にも「Beatrice NK01」「東京神話」などもありますので、興味があればこちらもチェックしてみることをおすすめします。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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