クローラ / CRAWLER(EA)- 評判・レビュー
- 日経平均、ダウ、その他重要指標に基づきトレードするファンダメンタルズEA
- 取引手法が不透明
- フォワードテストの結果を慎重に判断する必要あり
クローラ / CRAWLERの基本情報
クローラ / CRAWLERは開発者いわく、「日経平均、NYダウ、売買状況、オプション情報、経済指標などを取得してファンダメンタルズ分析に基づき売買を行うEA」になります。
これが本当なら結果はさておき、非常に珍しいEAになります。
現在3つのタイプ「CRAWLER_Lite」「CRAWLER_X」「CRAWLER_U」が販売されており、最大ポジション数、対応通貨ペア、販売価格に差があります。
Lite版 | X版 | U版 | |
価格 | ¥17,500(税込) | ¥17,500(税込) | ¥78,000(税込) |
時間足 | M15 | M15 | M15 |
通貨ペア | USD/JPY, GBP/JPY | USD/JPY, GBP/JPY | USD/JPY, EUR/JPY, EUR/USD |
最大ロット数 | 0.2ロット | 50ロット | 50ロット |
取引スタイル | スキャルピング | ||
開発者 | ぜんざい | ||
販売サイト | GOGOJUN | ||
端末 | MT4 |
収益性・ドローダウンの評価
3タイプのフォワードテスト結果は以下の通りとなります。
CRAWLER_Lite
CRAWLER_X
CRAWLER_U
一番高額のU版の損益変動が大きくなっています。
現時点では長期的に利益が出るのかどうかは非常に不透明と言えます。
取引分析-エントリー
日経平均・NYダウの値動きや重要指標などのファンダメンタルズ要因を参照してエントリーするため、テクニカル指標は採用されていないと開発者は主張しています。
これが本当なら、このEAの取引履歴を分析することすら無意味なように思えます。
ただし、取引履歴を確認したところ、ほとんどが逆張りエントリーしているのが分かります。このEAの挙動を見ると単純なロジックの逆張りスキャルピングEAと同じような動きをします。
■USDJPY 15分足 白=BUY 赤=SELL
トレンドの方向とは関係なく、値動きと逆の方向にポジションをオープンします。したがって、レンジ相場には強いですが、トレンド相場には弱いです。
あくまで推測ですが、日経平均やダウとの相関関係でトレードしているとすれば、これらの値動きと対象通貨ペアのダイバージェンスが発生しているタイミングで仕掛けているものかと思います。
ダイバージェンスとは相関関係があるはずのものが、差がある状態を指します。例えば「ダウが上昇しているのに、日経平均は下げている」「日経平均は下げているのに、ドル円は上げている」などです。
実際にはどのような計算がされているのかは分かりませんが、日経平均やダウが上げ基調なのに、ドル円は下げていて、移動平均から乖離しているみたいな感じのような気がします。(あくまで推測でしかありません。)
取引分析-決済値幅
利益確定およびロスカットの値幅は10pips程度であることが多く、大きくても20pip以内で決済されています。
利益確定とロスカットの値幅は同等程度です。したがって高い勝率を保たなければトータルで勝ち越すことはできません。
不透明さが残る取引ロジック
通貨ペアの値動きは日経平均やダウとの相関関係があるというのは有名ですが、このEAでは具体的にどのようにこれらの情報が活用されているのか分かりません。
技術がブラックボックスであることは当然と言えば当然ですが、もう少しどのようなロジックでエントリーするのかの情報を公開してほしいというのが正直なところです。
フォワードテスト環境
クローラ / CRAWLERのフォワードテスト環境は外為ファイネストデモ口座」となります。
デモ口座とリアル口座は取引環境が異なります。値動き自体は同じに見えてもスリッページなど約定に関する環境は異なるので、同じEAをデモ口座とリアル口座で同時に動かしても得られる結果が異なります。
特に10pips以内などわずかなpipsを狙うスキャルピングEAに関しては、デモ口座で良い結果が出ても、リアル口座では負けるという現象が良く起こります。
クローラ / CRAWLERの場合は比較的決済値幅が小さいので、デモ口座とリアル口座で結果が異なる可能性がある点については認識が必要です。
バックテストの結果
通貨ペアの値動きだけではなく、日経平均、ダウ、その他重要指標を元のトレードするとのことですので、バックテストの結果はありません。
逆にバックテストの結果があればトレード手法の説明と矛盾が生じるため、当然と言えば当然です。
しかがって、このEAの特徴や能力を図る指標はフォワードテストのみとなります。
クローラ / CRAWLERのまとめ
ファンダメンタルズ要因をメンイにトレードするという斬新なEAですが、個人的には物珍しさから飛びつくのは少々リスクが高いかと思います。
今までにはないタイプのEAということで期待感は膨らみますが、現時点ではフォワードテスト期間が短すぎて判断できません。しかも、現時点ではそこまで良い結果が出ているとは言えません。
トレードロジックも不透明なため、フォワードテストの結果を十分に観察してから利用を検討された方が良いかと思います。
なお、同開発者が販売している他のEAを参考にするというのもEAの能力を図る上でのひとつの手段かと思います。
同開発者が販売している「ナンピンメイカー(EA)」のレビューもしていますので、こちらも参考にしてみてください。
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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