Alpari(アルパリ)- 説明とレビュ―
Alpariの概要
Alpari(アルパリ)は1998年設立のロシア発祥の国際的ブローカーです。MT4やMT5を提供するMetaQuotes社もロシア発の企業であり、MQL5でEAを販売している開発者もロシア人が多かったりするので、ロシアはトレードが盛んな国であることが伺えます。
日本での利用者は多くありませんが、Alpari は長期間のチャートデータを保有しており、EAの開発者やシステムトレーダーがバックテスト用のヒストリカルデータを入手するのに利用したりしています。
歴史あるメジャーブローカーですが、日本語サポートがなく、取引コストは高く、0カットもないため、普通に裁量トレードするのであれば、よほど特別な事情がない限りAlpariを選択する必然性はないかと思います。
日本法人アルパリジャパンもあったが撤退済み
Alpariはかつて日本にも進出しており、金融庁の登録会社としてアルパリジャパンを運営していました。しかし、2015年1月に起こったスイスフランショック(EURCHF)の大暴騰を契機に親会社であるAlpari UKが破綻したことに伴い、dukascopy(デューカスコピー)ジャパンに事業を譲渡しています。
Alpari UKは破綻し、アルパリジャパンは撤退しましたが、Alpariグループ全体が無くなってしまった訳ではないので現在も問題なく利用することが可能です。
日本語非対応/日本語サポートなし
ホームページは日本語非対応で、日本語のサポートもありません。よって情報の入手や問い合わせは英語となります。
メール、ライブチャット、メッセンジャーアプリでの問い合わせが可能です。
メッセンジャーアプリは「Facebook Messenger」「VK (chat)」「Viber」「Telegram」に対応しています。
また、アカウント登録するとAlpariのモーリシャス事務所から登録番号に電話がかかってきますが、アカウントマネージャーがフォローの電話をしてきているだけですので、もし英語でしゃべりたくない場合は「Sorry, I can’t speak English」とでも言って電話を切っても特に問題はおきません。
Alpariの取引環境
「NANO口座」「STANDARD口座」「ECN口座」「PRO.ECN口座」の4つのアカウントタイプがあります。■取引端末
・MT4のみ
⇒「NANO」「PRO.ECN」
・MT4、MT5を選択可能
⇒「STANDARD」「ECN」
取引コスト
Alpariの取引コストはそこまで優位性があるとは言えません。
PRO.ECN口座のEURUSDの平均スプレッドは0.5pips程度、取引手数料は1lot往復3.2USD(0.32pips)であるため、合計取引コストは0.82pips程度となります。
低取引コストのブローカーと比較すると以下のようになりますので、取引コスト面でAlpariを選択する必然性はないと思われます。
最大レバレッジ1000倍
最大レバレッジは1000倍です。
「NANO口座」のみ最大500倍となります。
残高や取引量によってレバレッジは変動します。
0カット採用(追証なし)
ホームページ上に記載はなかったのでサポートに問い合わせたところ以下の回答が返ってきました。質問:「Do traders need to compensate for negative balance?」
回答:「The Company compensate for negative balance of our Clients.」
「顧客のマイナス残高は会社が補償します。」と言っていますので0カットはあります。
AlpariのPAMMアカウント
Alpariの一番の特徴はPAMMアカウントサービスかもしれません。PAMMとはアカウントマネージャーのトレードに出資し、マネージャーのトレードに応じて利益や損失が出資者に配分される仕組みです。
特にAlpariはPAMMアカウントの数が多く、出資するアカウントの選択肢が多いのが特徴です。
短期間で莫大な利益が出ているアカウントや長期間安定して取引を継続しているも存在します。
ただ、AlpariのPAMMサービスはマネージャーの取引履歴を確認することができず、取引手法を知る手がかりが限られています。良い成績が出ているように見えて実はかなりハイリスクな手法が採用されており、一瞬でアカウントが破滅するというリスクは覚悟する必要があります。
(日本居住者がPAMMアカウントに出資する分には問題ないかと思いますが、自らPAMMマネージャーになって他人の資金を運用することは、法規制に抵触する可能性があるので注意してください。)
ビットコイン入金対応
日本でプロモーションを行っていない海外FXブローカーは入出金がネックになりますが、Alpariはビットコインでの入金を受け入れていますので、スムーズな入金が可能です。Alpariの入出金手段は「国際銀行送金」「Fasapay」「Webmoney(日本の電子マネーではない)」「Bitcoin 」「Litecoin」「Ethereum 」「Zcash」に対応しています。
「国際銀行送金」は手数料が高くて遅く、「Fasapay」「Webmoney」は利用方法が難解のため、おすすめできません。
仮想通貨(特にビットコイン)を利用するのが最もスムーズかと思います。
以前は必ず「Bitpay」のウォレットを使用する必要があるため手間がかかりましたが、2020年に入り「B2BinPAY」が採用され任意のウォレットからの送金が可能となり便利になっています。
2019年12月の時点で出金する際にはビットコインは利用不可でしたので国際銀行送金もしくは他の決済システムでの出金対応となりました。
今後も入出金の方法は随時変更になっていくように思います。
Alpariのまとめ
日本語非対応・日本語サポートなし、取引コストも特段優れている訳ではないなどの理由から日本居住者は特段の理由がない限り利用すべき方は少ないのが実情です。一方、非常に多くのPAMMアカウントを抱えているので、どうしてもこのPAMMアカウントに出資したいというようなアカウントがあるなら利用してみても良いかもしれません。
(過去に安定した成績を残しているからと言って、将来も良い結果が出るとは限りませんので注意してください。)
スプレッド&取引手数料で損しない。一番お得な取引環境とは
裁量トレードにしろ、EAを利用した自動売買にしろ、取引回数が多くなるほどスプレッドや取引手数料がトレード損益に与える影響は大きくなります。特にEAを用いた自動売買では取引回数は多くなる傾向にありますので、可能な限りスプレッドが狭く、取引手数料が低い環境でトレードすることが非常に大切です。
塵も積もれば山となりますので、時間が経つと大きな差になります。
最も低コストな取引環境について以下のページで検証していますので、参考にしてみてください。
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